最強いわきFC頂点 J2昇格決めた、鹿児島との上位対決制す

 
【いわき―鹿児島】前半15分、先制点を決めるいわきのFW有田(中央)=6日、広野町・Jヴィレッジスタジアム

 サッカーJ3第32節のいわきFCは6日、鹿児島ユナイテッドFCにホームのJヴィレッジスタジアムで快勝し、優勝、J2昇格を決めた。通算成績は22勝6分け4敗。福島ユナイテッドFCはホームのとうほうみんなのスタジアムでアスルクラロ沼津と対戦し2―0で勝利。通算成績は11勝9分け12敗で順位は9位。

 次戦はいずれも13日。いわきはアウェーの相模原ギオンスタジアム(神奈川県)でSC相模原と対戦する。午後2時開始予定。福島はアウェーの藤枝総合運動公園サッカー場(静岡県藤枝市)で藤枝MYFCと対戦する。午後1時開始予定。

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 【評】いわきが先制して主導権を握り続け、鹿児島との上位対決を制した。いわきは前半15分、FW有田がゴール前でこぼれ球を押し込み先制した。後半にもMF山口がヘディングで、MF嵯峨が左足のシュートでそれぞれ追加点を奪った。昇格争いに絡む鹿児島は懸命の攻撃を見せたが、いわき守備陣がシュート数を4本に抑え込み無失点で勝利をつかんだ。(国分利也)

 FW有田が先制点、得点王単独トップ

 チームの点取り屋がきっちり仕事を果たし、優勝、昇格に大きく貢献した。「自分が点を取らないといけない試合だった」。いわきのFW有田稜は前半15分の先制点で流れを呼び込んだ。

 前の試合は無得点に終わり、チームも6試合ぶりの敗戦を喫した。責任を感じたという有田は、特別な思いを胸に試合に臨んでいた。

 敵陣ペナルティーエリア内に送り込まれたスローインのボールがこぼれ球となり、MF嵯峨理久が素早くクロス。相手DFのクリアがクロスバーにあたり跳ね返った先に、有田がいた。体ごとゴールに押し込み、先制点をもぎ取った。16得点目で、リーグの得点ランキング単独トップに躍り出た。

 有田は「FWとしてはおいしいゴールでした」と謙遜気味に喜ぶが、「理久さんから速いクロスが来ると思い、体の向きは準備していた」と明かす。シーズンを通して村上佑太アナリストらと議論を重ね、磨いてきたボールを呼び込む動きが得点につながった。

 「大さん(DF日高大)や山下さん(MF山下優人)が涙を流していて...」。昇格が決まり、メンバーの様子を感慨深げに話す有田。リーグ1年目での制覇、昇格の要因について、「上手く行き過ぎているとは思うが、自分たちは誰よりも走っている。きついことをやったことで結果が出たんだと思う」と自らをねぎらった。(小磯佑輔)