いわき最終戦 YS横浜とドロー、貫いた「全員攻撃、全員守備」

 
【いわき―YS横浜】後半2分、先制ゴールを決めるいわきのMF谷村=Jヴィレッジスタジアム

 サッカーJ3第最終節、優勝と昇格を決めていたいわきFCは20日、ホームのJヴィレッジスタジアムでYS横浜と引き分けて通算成績を23勝7分け4敗とした。

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 【評】いわきは数多くの好機をつくり、横浜の2倍以上のシュートを放つなど攻撃で圧倒したが、追加点を奪えずに引き分けた。いわきは切り替えの速さを生かして主導権を握ったが、横浜の自陣からボールをつなぐ試合運びに苦戦する時間帯が続いた。後半から出場したMF谷村が後半2分に先制点を決めたが、自陣ゴール前でのクリアミスで失点した。(国分利也)

 村主監督「1年間、チーム一丸の戦い」、選手ねぎらう

 いわきは最終戦も「全員攻撃、全員守備」のスタイルを貫いた。結果は引き分けだったが、敵陣での連動したプレスや多くの選手が関わった攻撃がつながった先制点は、チーム始動当時から一貫して目指してきた形だった。

 後半2分に思い切りよく右足を振り抜き、先制点を決めたのは、MF谷村海那だった。「有田がクロスを収めてくれると信じて走った」。仲間がつないだパスを受け、谷村がゴールに突き刺した。

 得点の起点となったのはMF嵯峨理久だ。敵陣深くでパスを受けると、素早くクロスを上げ、ゴール前で受けたFW有田稜がボールを落とした先に、谷村が走り込んでいた。「自分がボールを持つと、FWの選手が良い動きをしてくれる」と嵯峨。チームの成熟を感じさせるゴールシーンだった。

 最終戦を見守った村主(すぐり)博正監督も「1年通して誰一人さぼらず一丸となって戦ってくれた」とねぎらい、先制点に納得の表情だった。試合後、サポーターへの感謝を示した選手たち。谷村は「J2はもっとレベルが上がる。強度も技術もまだまだ磨かないと」と語気を強めた。(小磯佑輔)

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