いわきFC涙雨 運動量落ち最終盤失点、9位から12位に

 
【いわき―町田】試合に敗れ険しい表情を見せるいわきイレブン=いわきグリーンフィールド

 サッカーJ2第6節ー。いわきFCは26日、ホームのいわきグリーンフィールドに首位のFC町田ゼルビアを迎えたが、0―1で惜しくも敗れ、3連勝はならなかった。

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 【評】堅守速攻を掲げるチーム同士が激しい攻防を繰り広げ、終盤に隙を突かれたいわきが今季3敗目を喫した。前半は攻守にコンパクトさが際だったいわきが多くの好機をつくり、相手の攻撃はほぼ完封した。後半も優位に試合を進めたが、運動量が落ち始めた終盤、幅を使って攻める町田に主導権が傾いた。後半42分、町田の速攻に屈して決勝点を許した。(小磯佑輔)

 後半42分、痛恨失点

 無敗の首位を相手に互角以上の内容で渡り合ったが、最終盤に落とし穴が待っていた。「僕のミス」。いわきの村主博正監督は自身の采配について反省を口にした。

 「セカンドボール(こぼれ球)の奪い合いがポイントになると思っていた」とMF宮本英治が語るように、互いにロングボールを使ったことで中盤に数多くの競り合いが生まれた。攻守両面でコンパクトな陣形を保ったいわきは、数的優位を生かしてこぼれ球を拾い速攻。MF永井颯太や加瀬直輝の縦への推進力を使って攻め込み、そこで得たセットプレーでもゴールを匂わせた。

 ただ試合を通して降りしきった雨が選手の体力を奪った。終盤にさしかかると選手の足が止まりだした。「みんな足をつりかけていた」(村主監督)

 攻撃的な采配で後半36分までに交代の機会を使いきり、失点はその6分後だった。相手の速攻の場面、守備に安定感のあったDF江川慶城(げんき)が足をつったことで、ゴール前の相手選手にフリーでシュートを許した。村主監督は「慶城も痛そうにしていたが、今までつったことがなかったのでいけるだろうと思った。勝負を早まった」と判断を悔いた。

 試合内容が互角だったからこそ、ここぞのプレーを高精度にこなした町田の勝負強さが際立った。「自分たちも(町田のように)したたかさや精度を上げていきたい」と語るのはMF山下優人。次戦の相手ファジアーノ岡山も実力ある選手がそろうチームだ。いわきの実力が試されている。(小磯佑輔)