いわきFC、長崎に0-1惜敗 シュート21本...決め手欠く

 
【いわき―長崎】後半19分、シュートを放ついわきのFW有田(右)。シュートは相手GKにはじかれた=いわきグリーンフィールド

 サッカーJ2第12節ー。いわきFCは29日、ホームのいわきグリーンフィールド(いわき市)でV・ファーレン長崎と対戦し、0―1で敗れた。通算成績は3勝2分け7敗。順位は22チーム中20位に後退した。

 いわきは前半から主導権を握り、11本のシュートを放つなど相手ゴールに迫ったが得点できず、0―0で折り返した。後半も相手を大きく上回る10本のシュートを放ったものの得点できず、数少ない好機をものにした長崎が先制。これが決勝点となった。

 いわきの次戦は5月3日。アウェーのJITリサイクルインクスタジアム(甲府市)で6位のヴァンフォーレ甲府と対戦する。午後2時開始予定。

いわきFCの試合結果

 【評】いわきは再三の好機を生かせなかった。攻守でコンパクトな陣形を保って主導権を握り、分厚いサイド攻撃やカウンターでゴールに迫ったものの無得点に終わった。前半はGK高木和の好セーブで失点を防いで完封したが、決め手に欠いた攻撃が続いていた後半27分にミドルシュートのこぼれ球を押し込まれ、決勝点を奪われた。終盤はパワープレーを仕掛けたが、ゴールが遠かった。(小磯佑輔)

 球際改善、好機は多く

 多くの好機で得点できず、一瞬の隙に泣く―。今季の敗戦パターンを象徴するような試合だった。いわきは21本ものシュートを放つも無得点に終わり、今季7敗目を喫した。村主博正監督は「勝負事だから仕留めないと勝てない。泥くさくても良いからゴールにねじ込むプレーを見せないといけない」と奮起を促した。

 「得点を取る以外は完璧だった」。FW有田稜が振り返るように、攻撃面での課題が出た。有田とFW谷村海那の2トップを起点とし、分厚いサイド攻撃を展開。MF永井颯太のドリブルやDF嵯峨理久のクロスなどで相手ゴールを脅かしたが、最後の精度に泣かされた形だ。「前半はなんとなくチャンスをつくっている感じに見えた」。村主監督の悪い予感も的中した戦いぶりだった。

 ただ、前節の栃木戦の課題だった球際での緩さを改善し、鋭いプレスと競り合いで上位の長崎を圧倒。攻撃での単調さも改善し、多くの好機をつくりだした点が大きな収穫だろう。

 求められるのは敗戦を糧に成長し、勝利につなげることだ。DFリーダーの家泉怜依は試合後、自戒を込めて連敗脱出への決意を示した。「一人一人が、もっと勝つために覚悟を持つ必要がある。ずっと『次、次』と言っても何も変わらない。意識や考え方から変えなければいけない」(小磯佑輔)