社員の健康...生産性に差 経営セミナー、企業発展へ重要性認識

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パネル討論で事例を紹介した(左から)佐藤氏、服部氏、八巻氏、三島氏

 従業員の健康づくりを進める企業の「健康経営」の普及に向けたセミナーが21日、福島市で開かれ、従業員の健康増進だけではなく、労働生産性の向上や企業の持続的な発展にもつながる健康経営の重要性について認識を共有した。

 約200人が出席。東大政策ビジョン研究センターの古井祐司特任教授が講演し「体調不良に伴う労働生産性の損失額は健康リスクの低い人より約3倍大きい」との研究データを説明。その上で、健康経営を進めるポイントとして〈1〉自身の企業の現状を知る〈2〉社員の動線に健康づくりを取り入れる〈3〉企業側が社員の取り組みをきちんと評価する―の3点を挙げた。

 続いて行われたパネル討論では、健康経営に取り組む県内企業を代表して「いちい」、「福島製作所」、「皆川測量」の3社が事例を紹介。健康経営アドバイザーとして企業に助言しているアクサ生命保険の担当者が県内の現状について語った。

 健康経営の推進に向け県は、県内でモデル企業を選定して普及拡大を図っている。4月には県や企業、商工関係団体などによる官民連携組織「ふくしま健民会議」を設立し、健康経営の実践に向けた「福島モデル」の構築にも取り組んでいる。セミナー後は健民会議の会合も開かれ、今後の取り組みを確認した。

 セミナーは県や福島民友新聞社などで構成する健康経営推進キャンペーン実行委員会の主催、県商工会議所連合会、協会けんぽ福島支部の共催、アクサ生命保険の特別協賛。

 「パネル討論」体操やチーム対抗戦

 パネル討論では、健康経営に取り組む県内の企業が事例を紹介し、取り組みのきっかけや課題を指摘した。

 登壇したのは「いちい」の佐藤明総務部長、「福島製作所」の服部司総務・管理部長、「皆川測量」の八巻誠一専務、健康経営アドバイザーを務めるアクサ生命保険郡山支社福島営業所の三島明美氏の4人。

 佐藤氏は健康アンケートなどの取り組みを紹介し、「参加率が少ないという課題もあるが、(健康を支えるという)会社の思いを目に見える形で伝えることが大事だ」と語った。経済産業省の「健康経営優良法人」に認定された福島製作所の服部氏は、メタボリック症候群の改善が健康経営の動機だったとし、「体操を実施したり、血圧測定器を設置し、目に見える取り組みを多くした」と述べた。

 八巻氏は楽しく健康づくりを進めるため、社員4チームの対抗戦で取り組んだことを報告、「3カ月後に体重は8割、体脂肪率は7割改善した」と効果を語った。健康経営の普及について三島氏は「ゴールをどこにするかは難しいが、活動することによって社員の無関心な状態を変えていくことが大切だと思う」とした。