被ばく論文...「不正否定」 報告書公表、著者側の過失認定せず

 

 東京電力福島第1原発事故後、伊達市の住民の個人被ばく線量を分析した論文に本人の同意がないデータが使われた問題を巡り、福島医大の調査委員会は19日、「非常に問題であると考えるが、伊達市による同意情報の管理が不十分であったことに起因し、著者側に倫理指針に対する重大な違反や過失があったとは認定できない」と結論付けた報告書を公表した。

 伊達市の担当者は「市としても調査委員会を設置して調査中であり、コメントできない」とした。

 論文は2本で、福島医大の宮崎真講師と早野龍五東大名誉教授の共著。2017(平成29)年に英科学誌に掲載された。伊達市は15年8月に「ガラスバッジ」と呼ばれる個人線量計で測定した住民の被ばく線量の分析を著者側に依頼し、データを提供。論文に使われた約5万9000人分のうち、約2万7000人は研究への利用について同意がなかった。また「線量を3分の1に評価する計算ミスがあった」として、早野氏は掲載誌に修正を申請した。

 東大の委員会も19日、「数値計算の誤りは軽率なものだが故意によるとは認められない」とし、「不正はない」と結論付けた報告書を公表した。