亡き恩人に武勲を...吉田さん「活躍見せる」 相馬野馬追に出場

 
「多くの人に活躍する姿を見せたい」と意気込む吉田さん

 相双地方の国指定重要無形民俗文化財「相馬野馬追」が27日、開幕する。東京電力福島第1原発事故による避難指示が4月に一部地域で解除された大熊町からは、自営業吉田昌平さん(43)=水戸市=ら6人が出場。吉田さんは「活躍する姿を多くの人に見せたい」と意気込む。

 「小さい頃から野馬追は自分にとってあこがれだった」と話す吉田さん。小高中3年時に野馬追に初出場し、今年で26回目。これまでに神旗争奪戦で一番旗を取ったり、甲冑(かっちゅう)競馬で優勝したりするなど数々の武勲をあげている。

 震災と原発事故で町外に避難し、2011(平成23)年と12年は仕事の関係で欠場した。「このまま一生出場できないのではないか」と思ったが、「地元にとって大事な野馬追。出場することで町の復興に貢献したい」との思いから13年に復帰した。

 16年からは知人のつてで野馬追の総指揮官「軍師」を務めたことのある門馬清人さんの愛馬「オーブルチェフ号」を借りて出場。昨年の甲冑競馬では各騎馬会の精鋭が出場する第1レースで優勝、その姿を門馬さんに見せることができた。

 しかし、門馬さんは昨年末に86歳で死去。吉田さんは甲冑姿で葬儀に参列し、「自分にとってあこがれの人」の門馬さんを見送った。

 「大熊町は相馬野馬追で一番南側の地域。ここから子どもたちが出場したいと思ってもらえるようにしていくのが自分の役目」。門馬さんへの恩返し、そして未来の騎馬武者たちに勇姿を見せること。決意を持って野馬追に臨む。

 「相馬野馬追」27日に開幕

 相馬野馬追は27日から3日間の日程で行われる。27日は各騎馬会が出陣。28日は南相馬市原町区の雲雀ケ原祭場地で神旗争奪戦や甲冑競馬、29日は同市小高区で野馬懸(のまかけ)が行われる。