安達太良山...噴火数「3倍」 長橋福島大教授ら研究チーム発表

 

 福島大共生システム理工学類の長橋良隆教授(52)らの研究チームが、猪苗代湖の湖底の堆積物を調べた結果、過去5万年間の安達太良山の噴火回数はこれまで分かっていた回数の約3倍、磐梯山では約1.5倍に上り、より高頻度で起きていたことが分かったとする調査結果をまとめた。22日までに国際堆積学会誌に発表した。火山防災上重要な成果だとしている。

 福島大は2012(平成24)年、猪苗代湖の中心部近くで湖底の掘削調査を実施。過去5万年分の堆積物からなる長さ28メートルの地層を得た。研究チームはこの地層に、陸上から湖に流れ込んだ火山泥流がそのまま堆積した層があり、安達太良山の水蒸気噴火の際に堆積した層、磐梯山のマグマが関与する水蒸気噴火の際に堆積した層それぞれ固有の特徴があることを突き止めた。

 安達太良山の過去5万年間の水蒸気噴火は、これまでの陸上の地層の調査からは11回あったと判明していたが、今回の調査で、過去の水蒸気噴火が30回に上ったことを示す30枚の堆積物を見つけた。磐梯山では、爆発的噴火は約50回あったとされてきたが、今回の調査では従来判明分とは別に24回起きていたことを示す24枚の堆積物を発見。1888(明治21)年の大噴火の際の堆積物も確認した。

 磐梯山の同年の噴火は、死者461人(477人ともされる)という甚大な被害を出した。安達太良山は1900(同33)年に噴火し、死者は80人以上に上った。長橋教授は「火山泥流が過去にこのような形で猪苗代湖に流れ込んでいたのは重要な事実。防災の観点から認識しておく必要がある」と話した。今後はより広域で猪苗代湖などの火山泥流堆積物を調べたいとしている。研究は長橋教授と新潟大災害・復興科学研究所の片岡香子准教授が取り組んだ。