地域主導で将来像を 廃炉フォーラム、住民と専門家が意見交換

 

 東京電力福島第1原発の廃炉について学ぶ「福島第1廃炉国際フォーラム」が4日、富岡町で開かれた。4年目の今回は「地域との共生」がテーマ。30~40年とされる廃炉作業を踏まえ、住民が廃炉に関心を持ち、地域主導で地域づくりの将来像を議論していくことの重要性が指摘された。

 初日は廃炉の疑問について住民と専門家が意見交換した。飯舘村の菅野クニ氏(ニコニコ菅野農園)は廃炉事業に伴う合意形成の在り方について国や東電に「自分たちが信頼されていないという自覚の下に話すと見方が変わる。細かい心の動きに繊細に対応して」と要望。東電福島第1廃炉推進カンパニーの小野明最高責任者は「相手が何を知りたがっているかを把握し、きめ細かく対応しなければならない」と答えた。

 県内の高校生4人も登壇し「廃炉は何がゴールか」と質問。小野氏は「現時点で決められない。まさに地元の合意形成が必要」と答え、ポール・ディックマン氏(米アルゴンヌ国立研究所)は自然保護区にするなど米国の取り組みを紹介した。

 富岡町の遠藤秀文氏(ふたば社長)は「福島の未来についてのキーワードや理念を定める必要がある」と述べ、大学などの「学の拠点」が双葉地方に必要だと指摘。フォーラムを主催した原子力損害賠償・廃炉等支援機構(NDF)の山名元(はじむ)理事長は「知の拠点」の重要性に理解を示し「未来をつくるのは箱物ではなく人間。知の活力を付け、理念づくりには地元の発意が大事」と答えた。

 意見交換の進行役を務めた開沼博立命館大准教授は住民の廃炉の疑問に答える場をつくることが重要とし「『誰か』がやっている廃炉から『みんなの廃炉』にしていくことが大切」と総括した。

 フォーラム最終日の5日は、いわき市に会場を移し、海外の専門家が地元共生による廃炉プロジェクトについて発表する。