浄土平の高山植物「盗掘」か 痕跡91カ所...希少種含む可能性

 
浄土平湿原で見つかった、高山植物が盗掘されたとみられる痕跡(環境省東北地方環境事務所提供)

 磐梯朝日国立公園内の浄土平湿原周辺(福島市)で、高山植物が掘り起こされたような跡が見つかり、盗掘された可能性があることが6日、分かった。環境省東北地方環境事務所によると、掘り起こされた跡は91カ所に上った。いずれも観光客が利用する木道から外れた人目に付きにくい場所で、特定はできないが、希少な植物も被害に遭ったとみられる。

 ◆昨年、一昨年も被害

 浄土平湿原周辺では昨年と一昨年の8月にも同様の被害が確認されている。このため国や福島県などは8日に連絡会を設立し、パトロール強化などの盗掘被害防止対策を進める。

 環境省によると、浄土平ビジターセンター周辺を定期巡回中の業者が7月23日に掘り起こされた跡を発見した。同省職員が23、24の両日に確認すると、浄土平の90カ所、鳥子平の1カ所で跡が見つかり、浄土平の跡は半径100メートル以内に集中していた。業者が22日昼に巡回した際に異常はなかったという。

 国立公園内では自然公園法により、希少植物の無許可での採取が禁じられており、同省は24日に福島署に通報した。

 同省によると、昨年の被害は約100カ所、一昨年は約40カ所。木道付近で掘り起こされた跡が見つかっており、ラン科の「ホソバノキソチドリ」「コバノトンボソウ」、リンドウ科の「ミヤマリンドウ」などが被害に遭ったとみられる。

 ◆パトロール開始へ

 連絡会は、環境省東北地方環境事務所と福島森林管理署、県自然保護課、福島署、自然公園財団浄土平支部で構成する。8日未明から浄土平湿原周辺をパトロールするほか、浄土平駐車場で啓発用チラシを配り、観光客や登山客が知らずに高山植物を持ち去ってしまうケースなどを防ぐ。

 今後は定期的なパトロールや高山植物の保護意識を高める活動を繰り広げる方針。

 同省の担当者は「監視カメラの設置など具体的な対策を検討する。再発防止に向け連携を強めていく」としている。