「処理水保管」22年夏上限 第1原発東電試算、タンク増設困難

 

 東京電力福島第1原発の地上タンクで保管が続く放射性物質トリチウムを含む処理水を巡り、東電は8日、早ければ2022年6月にも、現計画で保管が可能な137万トン分の容量に達するとの試算を初めて公表した。9日の政府小委員会で報告する。小委員会では長期保管について議論するが、東電は第1原発の敷地利用に限界があるなど、恒久的な保管は難しいとの見方を示すとみられる。

 第1原発の敷地では7月18日時点で、約960基のタンクに約115万トンの処理水などが保管されている。東電によると、137万トン分までの増設が終わる20年末には保管量が約126万トンに上り、その後、1日当たりの汚染水発生量を130~170トンと想定すると22年6月に上限に達する。

 東電によると、長期保管では放射性物質濃度が減少する一方、廃炉に必要な用地を確保できなくなるという。東電は使用済み核燃料や溶融核燃料(デブリ)を一時保管する施設に最大約8万1000平方メートルの土地が必要と見込んでおり、デブリ取り出し用の訓練施設や廃棄物リサイクル施設を合わせると、さらなるタンク増設は困難との見方だ。

 東電は昨年8月の公聴会で要望のあった大型タンクや地中タンク、洋上タンクでの保管も検討したが、大型タンク、地中タンクとも効率が大幅に向上しないと推定。洋上タンクを設置するには港湾の深さが足りないと判断した。敷地外での保管については自治体の理解が必要としている。

 処理水を巡っては、原子力規制委員会が科学的な安全性を踏まえ、希釈して海洋放出する案を「現実的」としているが、公聴会では風評被害を懸念して長期保管を求める意見が相次いだ。資源エネルギー庁の担当者は「全く増設できないというわけではない。委員の意見を踏まえ、長期保管の可能性を議論したい」としている。