筋力低下に新たな診断選別法 福島医大・栗田特任教授チーム開発

 

 福島医大大学院医学研究科臨床疫学分野の栗田宜明特任教授(40)らの研究チームが、加齢や病気などで筋肉量が減り、筋力が低下した状態「サルコペニア」に対する新たな診断選別法を開発した。

 栗田特任教授は「従来の方法よりも診断精度が向上し、効率的に診断選別を行えるようになることで介護予防にも役立つ可能性がある」としている。

 研究成果が6月24日、国際医学雑誌「The Journal of Nutrition,Health and Aging」電子版に掲載された。

 サルコペニアとは、加齢や疾患により全身の筋力が低下する状態を指し、歩くスピードが遅くなったり転倒や骨折のリスクが高くなるなど日常生活にさまざまな影響を及ぼす。

 これまで欧州では筋力発揮の制限、歩行能力、椅子からの立ち上がり、階段昇降、転倒の経験の5項目でサルコペニアの診断選別を行っていたが、見逃し診断が多いことが課題となっていた。

 栗田特任教授らのチームは、従来の質問項目に加えて75歳以上かどうか、体格指数(BMI)が21以下であるかどうかの情報を加味した診断法「SARC―F+EBM」を開発。運動器疾患の患者約960人を対象に検証したところ、従来の方法で見逃し診断が約50%だったのに対し、見逃しが約20%まで減った。

 サルコペニアの最終的な診断には筋肉量の測定が必要となるが、その前段階での選別に応用できる可能性があるという。