「廃校」活用!シニア憩う場へ再生 いわきに19年秋・開所予定

 
旧永井小で準備を進める長谷川理事長(右)ら。「シニアの憩いの場に」との思いを込め改装する

 いわき市のNPO法人MOCCS(もっくす)は、廃校となった同市西部の旧永井小を高齢者向けの交流の場に再生しようと準備を進めている。カフェや物販のほか、健康づくりに関する施設を整備し、今秋にも開所する予定。「過疎地域に暮らすシニアの憩いの場にしたい」と、地域の高齢者に役立つ廃校活用の在り方を提案したい考えだ。

 「観光施設というより、地区の高齢者のための施設。(学校に)また通ってもらえたら素晴らしい」。もっくすの長谷川梢理事長(31)は、開所に向けた準備が進む校舎の前で笑顔を見せた。施設名は「長居しよう(ながいしよう)」。住民が集まり、のんびり話せる空間づくりを思い描く。

 旧永井小は1874(明治7)年の開校。三和小への統合に伴い2015年に閉校した。約200世帯が暮らす上永井・下永井地区は、週に1回スーパーの移動販売車が巡回する程度で、交通弱者にとって決して便利な地区とはいえない。長谷川理事長は「通えば通うほど不便な地域」と苦笑いしながら、「だからこそ古里を愛するシニアのために何かできれば」と施設整備を思い立った。

 もっくすは、地域活性化につながるまちづくりを目的に昨年10月に設立。企業向け情報通信機器販売保守会社CSコミュニケーションズの「地域に貢献」の考えに賛同した事業者などで構成し、キッチンカーで各イベントへの参加などを行ってきた。

 旧永井小を活用した交流の場の整備は、段階的に進める計画だ。抹茶や和菓子を提供するシニアカフェや水産加工品など食料品を扱う物販スペース、整体師が常駐する健康アロマやヨガの健康室の3ブースを先行して整備する。

 使用する教室は住民に身近な場所をイメージし、保管されていた卒業文集や掲示物などを再利用し学校の雰囲気を残した。将来的には、校庭を使ったオートキャンプ場や星空観察、空き教室でのイベントや地域交流会開催なども計画。「のんびり通ってもらえる場所にしたい」と意気込む。

 施設近くで暮らす男性(80)は同校の卒業生の一人。「校舎を活用したくても地元だけでは難しい」と話し、「子どもが少なくなってきているのは寂しいが、にぎわいが出ることはいい」と、新たな交流拠点の誕生に期待を寄せた。