「妊産婦調査」20年度で終了 県民健康調査、委員から異論なし

 

 原発事故後の健康影響を調べる県の「県民健康調査」のうち、出産状況などを調べる「妊産婦に関する調査」について、県が2020年度で終了する方向で検討していることが21日、分かった。県は新生児の先天奇形・異常の発生率に影響が見られないことや、妊産婦の放射能に対する不安が減少していることなどを理由としている。

 すでに7月の「県民健康調査」検討委員会で県が終了方針を説明し、委員から異論はなかった。県県民健康調査課は「まだ決定したわけではなく、今後の調査状況を踏まえ、検討していく」としている。

 妊産婦調査は、県内で母子健康手帳を交付された人などを対象に11年度から始まった。15~18年度には回答者のうち出産後4年経過した母親を対象にフォローアップ調査を実施。本年度は2回目のフォローアップ調査も行われている。

 4月の検討委で報告された17年度調査では、新生児の先天奇形・異常の発生率は2.38%(前年度2.55%)で一般的な発生率(3~5%)と差がなく、11年度から大きな変動は見られていない。一方、産後にうつ傾向と診断された母親の割合は20.7%(前年度21.1%)で、産後うつ疑いの推定割合は全国データより高い状態だった。

 県はうつの要因について「震災直後は放射能に対する不安の割合が多かったが、現在は一般的な子育ての悩みに変化してきている」と分析している。

 妊産婦調査の終了後は市町村が設置する「子育て世代包括支援センター」を軸に妊産婦のケアを図る方針。また、新生児の先天奇形・異常の発生率については、現在も実施されている日本産婦人科医会の調査で把握が可能としている。