山木屋三匹獅子舞、僕らが「守る」 六本木ヒルズ盆踊りで披露

 
大勢の観客を前に勇壮な舞を披露する踊り手。被災地の力強い復興をアピールした=東京・六本木ヒルズ

 福島県川俣町山木屋地区に江戸時代から伝わるとされる町無形文化財「山木屋八坂神社三匹獅子舞」が24日、都内最大規模の盆踊りイベントで披露された。「獅子舞をこれからも守っていきたい」。踊り手の子どもたちの舞が、東京電力福島第1原発事故からの力強い復興も印象づけた。

 踊りの舞台は、東京・六本木ヒルズで開催された「六本木ヒルズ盆踊り」。三匹獅子舞は、日本の伝統芸能に焦点を当てた催しの一環で披露され、今春山木屋小を卒業したいずれも川俣中の生徒(13)、生徒(12)、生徒(12)がそれぞれ「太郎獅子」「次郎獅子」「牝獅子」を務めた。

 三匹獅子舞は、豊作や悪霊払いを祈願するため江戸時代後期に始まったとされ、同地区に代々受け継がれてきた郷土芸能。2年前に原発事故後初めて同神社に奉納され、昨年は、地元の子どもたちによって奉納された。

 復活した三匹獅子舞が、さらに盛り上がってほしいと招待を受け、実現した。「大勢の前で踊ると初めて聞いたときは、ただただびっくりした」と話すのは太郎獅子の生徒。この日のために今月に入って練習を重ねてきた。

 会場には家族連れだけでなく、外国人旅行客とみられる人の姿も目立った。大勢の観客を前に、3人はお囃子(はやし)に合わせて計5曲の演目を力強く披露。会場からは、郷土の文化を継承する子どもたちの姿に歓声が上がった。生徒らは「大勢の客の前で踊るのは初めてで不安だったけどうまく踊れた」と汗をぬぐい、「山木屋以外の場所で三匹獅子舞を披露できてうれしかった」と誇らしげな表情を見せた。

 会場で保存会の菅野清一さん(68)が「(子どもがおらず)継承が難しくなっているが、子どもたちが引き継ごうと頑張っている」と現状を紹介すると、温かい拍手に包まれた。

 「後継者が現れるまで守っていきたい」。踊り手の3人は充実感を漂わせ、郷土文化の担い手としての誇りを新たにした。