ボランティア文化醸成 パラ閉幕日に後夜祭、福島のNPO企画

 
Jヴィレッジで後夜祭のイメージを膨らませる斎藤さん(右)ら

 ボランティアを「復興五輪」のレガシー(遺産)に―。東京パラリンピック閉幕日の来年9月6日に、大会運営などを支えるボランティアの慰労や交流、定着を目的とした「後夜祭」の開催を計画している福島市のNPO法人うつくしまスポーツルーターズ。五輪、パラリンピックの機運の高まりがボランティア志向につながることを期待し、後夜祭の準備を本格化している。

 「スポーツイベントの開催にはボランティアの存在が不可欠。多くの人に楽しさを感じてほしい」。同法人事務局長の斎藤道子さん(55)は、旗振り役として意欲を見せる。

 後夜祭は、サッカー施設のJヴィレッジ(楢葉、広野町)で予定。Jヴィレッジをサッカーだけでなく、ボランティアの"聖地"としたい考えだ。

 震災前、Jヴィレッジを拠点とした東京電力女子サッカー部マリーゼの試合は地元住民らが裏方役として支えていた。だが、現在、同法人に登録するスポーツボランティアの会員数は原発事故に伴う住民の避難などで減少し、相双、いわき両地区で計9人。Jヴィレッジで10日に行われたサッカーJ3の試合では人手がほとんど集まらなかった。斎藤さんは震災前の光景を思い浮かべ、「また地元の人にボランティアとして参加してほしい」と願う。

 東京五輪・パラリンピックはボランティアの文化を根付かせる絶好の機会となる。国内外から約8万人が大会ボランティアとして参加し、競技運営や選手村のサポート、メディア対応などを担当。さらに観光や交通案内に当たる都市ボランティアも各地で活動する。

 後夜祭の開催は史上初となる見通し。同法人は外国人を含むボランティアを迎え、盆踊りや伝統芸能の披露、2020人でフラダンスを踊ってギネス記録に挑戦する企画、花火などの内容を検討。県民にも参加を呼び掛け、震災で寄せられた支援への感謝や復興の現状を発信したい考えだ。

 「復興五輪の最終日をメモリアルな一日にしたい」。斎藤さんはJヴィレッジで20日に開かれた後夜祭の説明会で開催計画や熱意を伝え、賛同する各団体の関係者が本番のイメージを膨らませた。

 福島大のよさこいサークル「源種」の高橋愛実代表(21)は「楽しいイベントにして大会を締めくくりたい」と強調。相馬流れ山踊り伝承保存会の大土光雄会長(70)は「福島の元気を発信したい」と意気込む。

 ◆9月6日、1年前イベント

 同法人は9月6日、Jヴィレッジで後夜祭の1年前イベントを開き、参加者も一緒に踊れる「東京五輪音頭」などを通じて大会の機運醸成やボランティアのPRを図る。参加無料。時間は午後1時~同4時。