崖崩れ復旧急ぐ 岩盤劣化原因か、いわきで専門家現地調査

 
崖崩れの起きた現場を調査する国土交通省専門家チームのメンバーら=28日午後、いわき市鹿島町久保

 いわき市鹿島町久保の県道(通称・鹿島街道)で24日夜に発生した岩山の崖崩れについて、国土交通省の専門家チームが28日、現地調査を行った。専門家チームは同日、岩盤の経年劣化が原因とみられるとする調査結果を公表した。

 同省国土技術政策総合研究所の水野正樹深層崩壊対策研究官は、今回の崖崩れについて「非常にまれな現象」と説明。一般的な土砂災害が降雨や地下水によるものとした上で「現場では雨や原因となる地下水は確認できなかった」とした。

 専門家チームと県いわき建設事務所によると、現場には崩落前、1955(昭和30)年ごろまで石切り場として使用されていた、高さ4~6メートル程度、幅数メートルの空洞があった。水野研究官は「空洞表面にある岩盤の風化が影響したとも考えられる」と話した。

 崩落現場の岩石は、雨水の浸食を受け黒く変色するなどしていたといい、「長い年月をかけて劣化したのではないか」との見解を示した。

 同建設事務所によると、土砂崩れ発生後の住民への聞き取りで、「日中に、岩同士がぶつかるような音がした」との情報があった。しかし、県や市に住民からの通報などはなかった。明確な前触れのない災害に、担当者は「予測は難しい」とし、同様の災害を防ぐには「住民からの定期的な情報収集が必要だ」と語った。

 水野研究官は崩落を免れた斜面にも空洞が複数箇所あると指摘。「さらに崩壊する恐れもある。危険性を把握し、慎重な復旧作業と住民の安全確保が必要」と注意を呼びかけた。

◆通行止め、29日に一部解除へ

 県は29日午後4時、全面通行止めとなっている4車線のうち、2車線の通行止めを解除する。当初、30日に解除予定だったが、作業が進んだため。現場には二次災害防止用の大型土のうや仮設信号機を設置。県は専門家チームから支援を受けるなどして原因究明と対策に取り組むが、全面復旧のめどは立っていない。