「大型店規制改定」1日施行 今後も緩和検討、福島県は広域調整を

 
審議会の川崎興太会長

 大型店の郊外進出を規制する福島県商業まちづくり推進条例で、県は1日、店舗面積の基準を初めて緩和した新たな基本方針を施行する。2017(平成29)年12月から改定内容を検討した審議会の川崎興太会長(48)は福島民友新聞社の取材に「人口が減少し、より広範囲でまちづくりを考えることが大切だ。広域自治体として県が不断の検証を忘れず、市町村を支援することがますます必要になる」と述べ、県に広域調整役を担うことを求めた。

 ―改定のポイントは。

 「本県は原発事故からの復興という点もあり、他県以上に経済の活性化が強く望まれている。県の調査では消費の県外流出や、買い物環境で町村部の住民らの満足度が低い傾向が分かっている。(条例施行の06年当時は)郊外大型店の規制で県民生活が豊かになるとの前提があったが、この10年の社会情勢の変化、隣県の状況も踏まえて緩和が必要と判断した。改定で民間活力が活性化してくれれば」

 ―基準店舗面積を2千平方メートル緩和した。

 「2千平方メートルというのは、モール系が少し大きくなるようなイメージ。緩和で状況が大きく変わることはないと思う。ただ改定は、今回で終わりではない。状況を見て、より緩和が必要となれば審議会で検討する。一方で、『持続可能』『歩いて暮らせるコンパクトなまちづくり』など条例の趣旨・目的に反する新規店の進出、民間開発が相次いだ場合でも基本方針の見直しを検討する」

 ―複数の自治体による圏域の考え方を追加した。

 「人口減少が進み、市町村単独でのまちづくりは限界がきている。より広範囲で判断する枠組みが必要との考えから圏域の考え方を導入した。まちづくりの主体は市町村だが、市町村に権限が集中するほど広域調整が必要になる。県が不断の検証を忘れずに市町村を支援していくことが大切だ」

 ―条例自体を廃止するという議論はなかったのか。

 「ない。条例を廃止すれば大型店の出店で短期的に喜ぶ人はいるだろう。ただ大型店が郊外に進出して中心市街地や地元商店が衰退した揚げ句、その大型店が撤退して地域が悲鳴を上げる例が全国で散見される。大切なのは条例を廃止するのではなく、今後も状況に合わせた緩和を検討していくことだ」

 かわさき・こうた 茨城県常陸太田市出身。信州大大学院修了。福島大共生システム理工学類准教授。専門は都市計画・まちづくり。2013(平成25)年12月から県商業まちづくり審議会委員を務め、15年12月から会長。