消費増税まで1カ月 軽減税率へ急ぐ対応...レジ「在庫足りない」

 
軽減税率の対応レジを展示している福島商工会議所内。事業者が足を運び、購入を検討している

 消費税率10%への引き上げまで、あと1カ月。軽減税率への対応は福島県内の事業者にとっても喫緊の課題だ。レジスターの販売業者からは「在庫が足りず、注文を受けられない」との悲鳴も。一方、消費の腰折れを防ぐため、国が中小事業者を対象に導入するキャッシュレス決済のポイント還元制度は分かりにくく、県内での浸透は十分とは言えない状況だ。

 ◆「8%」「10%」混在悩ましく

 福島市の福島商工会議所の一角には、最新型のレジスターがずらりと並ぶ。軽減税率で「8%」「10%」が混在しても対応でき、さらに商品の販売情報を分析・管理するシステムまで導入した高機能レジだ。

 レジの販売代理店である福島レジスター(福島市)によると、7月の1カ月間で年間の3分の1に当たる売り上げを計上。「販売増を想定して商品を豊富に用意していたはずだったが、ほとんど在庫がなくなった。メーカー側にも在庫がない」という。田中やよい取締役は「売り上げが伸びたからといって手放しでは喜べない」と苦笑いする。

 取り扱う商品のほとんどが軽減税率の対象となる柏屋(郡山市)は、県内外にある全27店舗でレジの入れ替えを終えた。キャッシュレス決済のポイント還元制度については「消費者が制度を全て理解するのは難しいし、販売員がその全てに的確に答えることもなかなか難しい」と担当者。また一部店舗には、購入した菓子などをその場で食べられるスペースを設けている。「(10%の)イートインのメニューなのか、(8%の)テイクアウトの商品なのか悩ましいところ」。検討は増税直前まで続きそうだ。

 ◆ポイント還元申請少なく

 中小事業者の皆さまのキャッシュレス導入を支援します―。クレジットカードの発行とカード加盟店の募集、管理などを担う東邦クレジットサービス(福島市)は、加盟店を対象にキャッシュレス決済のポイント還元制度を説明し、活用を呼び掛けるチラシの配布を実施。制度を活用するには、クレジットカード会社など決済事業者を通じた登録申請の手続きが必要となるためだ。事業者にメリットはあっても、デメリットはほとんどない。しかし「いまだに周知がいまひとつで、まだまだ申請が少ない」状況だ。

 経済産業省によると、県内の登録申請件数は5142店舗(8月21日時点)。事業者は負担ゼロで決済端末を導入でき、決済事業者に支払う決済手数料も通常より安くなる支援策もあり、東邦クレジットサービスの峯和彦専務は「店で現金を扱わずに済むため、売上金の管理や両替金の用意などが不要になる。東京五輪に向けて増えるインバウンド(訪日外国人)への対応もできる」とメリットを訴える。申請は来年4月まで可能だ。

 ◆6月の民間調査 「特にしていない」企業が半数超え

 帝国データバンクが発表した「消費税率引き上げに対する企業の意識調査」(調査期間6月17~30日)によると、軽減税率制度の導入に対する対応状況について「特にしていない」と回答した県内企業が、54.7%に上り、対応への遅れが浮き彫りとなった。「これから対応」は179%、「現在対応中」は171%だった。

 県内企業の有効回答数は117社。税率引き上げに伴う企業活動への影響は、県内企業の半数以上が「マイナス影響がある」と回答。一方、駆け込み需要は約6割が「現在も今後も駆け込み需要はない」と答えている。