「東日本大震災・原子力災害伝承館」 アーカイブ拠点施設の名称

 

 福島県が原発事故に伴う避難指示解除準備区域の双葉町中野地区に整備するアーカイブ拠点施設(震災記録施設)の名称が2日、「東日本大震災・原子力災害伝承館」に決まった。県は世界中から注目を集める2020年東京五輪・パラリンピックの開催を見据え、来年夏ごろの開館を目指す。

 名称は県庁で2日開かれた新生ふくしま復興推進本部会議で承認された。未曽有の複合災害の記録と教訓を国や世代を超えて継承・発信する目的を明確に示すため、「福島」の文字は入れなかった。平易な日本語表記で意味を理解しやすいことも考慮したという。

 経路順を含む施設内の展示構成のイメージも具体化した。〈1〉プロローグ(導入シアター)〈2〉災害の始まり〈3〉原子力発電所事故直後の対応〈4〉県民の想(おも)い〈5〉長期化する原子力災害の影響〈6〉復興への挑戦―の6ゾーンに区分、ストーリーに沿って伝え方などを工夫する。

 プロローグでは7面の大型スクリーンを使い、震災前の様子から震災と原発事故の発生、避難生活を経て復興へ歩む姿などを表現する。事故直後の対応では避難の様子などに焦点を当て実写映像やビッグデータによる解析映像を活用。被災者の証言や思い出の品の展示などを通し、県民の想いを伝えるゾーンも設ける。

 施設の隣接地には復興祈念公園の整備が進められており、県は20年夏の一部利用開始を目標としている。

 内堀雅雄知事は2日の定例記者会見で「国内外の多くの人に見てもらいたい施設。東京五輪・パラリンピックの時期を視野に入れながら検討を進め、形を造り上げたい」と述べた。