被災12市町村に農水省職員派遣へ 20年春、営農再開の支援重点

 

 農林水産省は3日、本県農林水産業の復興に向けた新たな支援策を発表した。農業は原発事故で避難指示が出た12市町村に来年4月から農水省職員を1人ずつ派遣し、現場レベルで営農再開を促すのが柱。避難した住民の帰還意向が乏しく、営農再開が困難と認められる地域では農地集積を進める特殊制度の創設も検討する。

 農水省職員を含め各市町村の人的体制を強化し、地元自治体や県、JAなどと営農再開推進チームを編成。地域の実情に応じた営農再開のビジョンを作成し、農地の区画整理や集積を図るとともに、外部からの参入も促す。

 農地集積の特殊制度は、県が営農再開が困難と認められる地域の計画を作成・公示し、所有者の同意を得た上で、遊休農地や所有者不明の農地を含め地域で一体的に権利設定できる仕組みを想定している。これにより大規模経営を希望する生産者への円滑な農地の貸し付けが可能となる見通しで、農水省は来年の通常国会での法整備を目指す考え。

 県産水産物巡り情報共有する場

 水産業は、来年9月に県漁連と買い受け人が情報を共有する場を設け、生産目標の設定を通じて県産水産物を安定的に供給できる体制の構築を支援する。風評対策として、多様なメディアを活用して国内外に向けた情報発信も強化する。

 林業は、里山の再生や2020年度末までの復興・創生期間後の森林整備の在り方を検討するほか、県産材の放射性物質測定装置の配備を進め、県産木材製品などの放射性物質の調査・分析を継続する。

 吉川貴盛農相は3日の閣議後会見で「福島の農林水産業はまだまだ大きな課題があると感じている。最先端技術を活用し、大規模で労働生産性の著しく高い農業経営の展開を目指す」と述べた。