福島第2原発「廃炉」で楢葉、富岡に10億円 経産省が予算要求

 

 経済産業省が2020年度予算の概算要求で、東京電力福島第2原発の廃炉決定に伴う立地2町(楢葉町、富岡町)への財政支援としてそれぞれ約10億円を計上したことが5日、関係者への取材で分かった。これまで交付されている電源立地地域対策交付金と同規模の予算を特例で求めたとみられる。同省は2町が長期的に地域振興の見通しが立てられる財政支援についても財政当局と調整する方針。

 同省が概算要求に盛り込んだのは、廃炉が決定した原発の立地自治体などを支援する「原子力発電施設等立地地域基盤整備支援事業交付金」。同交付金の初年度は通常、電源立地地域対策交付金の8割程度だが、楢葉、富岡両町には同規模の10億円を計上した。避難指示に伴う地域振興など、本県の特殊事情を考慮したとみられる。

 ただ廃炉決定後の新たな交付金は通常、年々減少し、10年後にはゼロとなる。このため県や両町は、住民帰還の促進を目指す中、交付金の減少や打ち切りは公共施設の運営などサービスの低下を招く恐れがあるとして、同省に財政措置を要望。内堀雅雄知事は「第1原発事故に伴う廃炉という特殊性に鑑み、両町の財政問題がクリアできるよう国に要請する」と語っていた。県は今回の概算要求を評価する一方、代替の財政措置の創設に向け、対応を検討する。

 歳入の交付金割合は楢葉8%、富岡5%

 楢葉、富岡両町の本年度の当初予算ベースで、歳入に電源立地地域対策交付金が占める割合は楢葉町約8%、富岡町約5%。復興関連の補助金で財源が膨らむ前の2010年度は楢葉町で約20%、富岡町で約15%を占め、1982(昭和57)年の1号機稼働以降、交付金は両町の財源の柱だった。

 現在は道の駅や文化センターなどの公共施設の整備・運営費に充てられている。