福島県内の「防災士」最多 大規模災害を経験、意識高まる

 
福島県の防災士の有資格者数

 地域の防災活動で中心的な役割を担う県内の「防災士」の資格者数が過去最多の2529人(8月末時点)となった。東北では宮城県の4881人に次いで多い。県は東日本大震災や全国各地で頻発する大規模災害を受け、県民の防災意識の高まりが背景にあると分析。防災士の協力で地域の防災力を高め、災害に強い県づくりを進める。

◆県、連携しモデル事業

 民間資格の防災士はNPO法人日本防災士機構(東京都)が認定する。災害発生時、警察や消防の現場到着までに住民の避難誘導や初期消火、救出・救助活動に当たり、地域で助け合う共助の取り組みを進める人材として活躍が期待される。

 東日本大震災や熊本地震では防災士がリーダーシップを発揮したことで住民の命が救われ、避難所の開設が円滑に進んだ事例もあるという。

 県内の資格者数は震災前の2010(平成22)年に604人にとどまったが、震災を経て増え続けている。特に自主防災組織の関係者に研修講座の受講を促すなど、県が資格取得支援事業を展開した13~17年に急増した。

 ただ防災士が民間資格のため、NPO法人日本防災士会常任理事の藁谷俊史氏(いわき市)は「取得したからといって特別な権利が与えられるわけではない」と説明する。防災士の認知度不足もあり、平時から自主防災組織や地域の中で防災活動に積極的に携わることが必要になってくるとしている。

 このため県は本年度、自主防災組織を対象に講座を開き、地区防災マップや地区防災計画の策定を支援するモデル事業を展開。防災士の協力を得ながら地域と連携し、地域の防災力を底上げする考えだ。

 防災士には地域や職場での防災意識の啓発・向上と、防災訓練に中心的な立場で取り組むことが求められる。藁谷氏は有事の際、防災士が活動しやすい環境を整えるために「自治体との協定締結も踏まえた連携が大切だ」と指摘する。