室屋義秀『有終』逆転V!操縦技術世界一 エアレース・最終戦

 
千葉大会で優勝し、トロフィーを掲げる室屋(Joerg Mitter/レッドブル・コンテンツ・プール)

 レース専用飛行機の国際大会「レッドブル・エアレース」の今季最終戦となる第4戦千葉大会の決勝ラウンドが8日、千葉市の幕張海浜公園で行われ、室屋義秀(46)=福島市=が優勝し、今季3勝目を挙げた。今季全4戦の総獲得ポイントで争う年間総合優勝にはマット・ホール(47)=豪州=が輝き、室屋は1ポイント差の総合2位だった。2017(平成29)年シーズン以来の総合優勝には届かなかったが、今季を最後に終了するエアレースの最終戦で有終の美を飾った。

 「幕張に駆け付けた多くのファンや家族が背中を押してくれた。何か特別なエネルギーが働いたのだと思う」。レッドブル・エアレース最後の大会となった千葉大会。室屋義秀は劇的な勝利をそう振り返った。

 手に汗を握る、スリリングな展開だった。台風15号が接近していた影響で予定より約4時間早く始まった決勝ラウンド。室屋は1回戦、57秒912のタイムでベン・マーフィー(44)=英国=に0・015秒の僅差で敗退。しかし、敗者の中で最速のタイムだったため2回戦に進むことが決まった。ファンの悲鳴が一転、歓声に変わった瞬間だった。

 大きな波乱もあった。第3戦を終え総合1位で最終戦に臨んでいたマルティン・ソンカ(41)=チェコ=が1回戦でまさかの敗退。年間総合優勝の可能性は、室屋とマット・ホールの2人に絞られた。

 4人で争う最終レース。室屋が優勝しホールが4位なら室屋の逆転総合優勝が決まるという最終局面に、空を見上げる観客の興奮は最高潮に達した。結果は、室屋が58秒630で優勝、ホールは1分0秒052で3位。総合優勝にはあと一歩届かなかったが、室屋は達成感をにじませた。「地元の理解、支えがあって初めてこういう結果が出る。『チームふくしま』で優勝をもぎ取った」。多くの支えに感謝した。

 2009(平成21)年の参戦以来、レッドブル・エアレースの舞台で多くのファンを熱狂させてきた室屋。その舞台はいったん幕を閉じることになったが、航空スポーツの第一人者の挑戦は終わらない。「これからも『操縦技術世界一』への挑戦を続けていく。さらなる高みを追い続ける」