第1原発・処理水「放出しかない」 原田環境相が扱い巡り発言

 

 東京電力福島第1原発の汚染水を浄化後に残る放射性物質トリチウムを含んだ処理水の扱いを巡り、原田義昭環境相は10日の閣議後会見で「所管は外れるが、思い切って放出して、希釈するほかにあまり選択肢はない。それしか方法がないなというのが私の印象だ」との認識を示した。11日の内閣改造を前に、就任から約1年間の仕事を振り返った感想として答えた。

 原田氏は、処理水の処分方法に関し「政府全体でこれから慎重な議論がなされる」とした上で、第1原発構内に林立する処理水保管用の地上タンクを視察したことや原子力規制委員会が海洋放出案を支持している点を理由に挙げ「風評被害や漁業者の皆さんの苦労については、やはり国を挙げて補完することも極めて大切なことだ」と強調した。

 東電は、2022年夏ごろに保管タンクが満杯になる見通しを示している。韓国政府が海洋放出計画の有無に懸念を表明したことに対し、日本政府は「処分方法は未定だ」と回答した。

 原田氏は、こうした背景を踏まえ「風評を含め内外に対応しなければならない。韓国にも誠意を尽くして説明する態度が何よりも大切だ」と述べた。

 「個人的発言」「軽率」 漁業関係者ら批判相次ぐ

 処理水の処分方法をめぐる原田環境相の発言について、海洋放出に反対する県内の漁業関係者などからは批判が相次いだ。

 県漁連の野崎哲会長は「とんでもない内容だが、個人的な発言だと思う。県漁連は海洋放出を反対している立場。国としてしっかりと議論する態勢を取って発言してほしい」とコメント。底引き網漁業関係者でつくる県機船底曳網漁業組合連合会の高橋通会長は「風評問題などを含め、話し合いをしなければならない中、大臣が何の前触れも無く発言するのは間違っている。発言はあまりにも軽率」と指摘した。

 今夏、9年ぶりに再開した南相馬市の北泉海水浴場で海開きイベントを主催した県サーフィン連盟の室原真二理事長は「福島の海は怖いと言い、(海に)入らないサーファーや海水浴客もいる。不要な発言で、せっかく船出した南相馬の海に水を差すようなことはやめてほしい」と語った。