久米正雄「原稿」に芥川龍之介が書き込み? 英単語や女性の絵

 
久米の原稿の裏面に芥川がしたとみられる書き込み。中央よりやや右側には女性の横顔のような絵が見える

 郡山市が所蔵する、同市ゆかりの作家で俳人久米正雄の原稿に、芥川龍之介のものとみられる書き込みがあることが10日までに分かった。久米と芥川は一緒に同人誌を作っていた仲間で、芥川研究者の庄司達也横浜市立大教授は「当時の2人の雰囲気を伝える貴重な資料」としている。

 書き込みがあったのは、昨年秋に同市内の文学愛好者から寄贈を受けた久米の原稿5枚。内容と筆跡から久米の「母」という作品の原稿であることが分かっていたが、これらの原稿には久米の筆跡とは異なる赤のインクによる英単語や女性の絵などの書き込みが見られたため、市が庄司教授に鑑定を依頼していた。

 「母」は1916(大正5)年に久米や芥川が発行した同人誌「新思潮」第1年第6号に収録されている。同誌に収録されている菊池寛の戯曲の原稿などにも、芥川が似たような書き込みをしているという。

 今回発見された久米の原稿は、同市のこおりやま文学の森資料館で21日から始まる特別企画展「甦(よみがえ)る文豪たち」で初公開される。