最後のクルーズ... 県内唯一、いわきの海上観光遊覧船に別れ

 
多くの観光客らに見送られ、小名浜港を出航する観光遊覧船「ふぇにっくす」=8日午前、いわき市小名浜港

 県内唯一の海上観光遊覧船「ふぇにっくす」(118トン)を運航するいわきデイクルーズは8日、最後の運航を行った。大勢の観光客が訪れ、長年親しまれてきた船や同社との別れを惜しんだ。

 同日は台風接近の影響もあり、便数を減らして小名浜港湾内での定期運航の6便で実施した。地元のわかぎ幼稚園児らによりセレモニーが行われた後、1便目から大勢の観光客が乗り込み、最後のクルーズを楽しんだ。

 同市の小学1年の女子児童は、母親(43)、弟(5)と乗船。女子児童は「思い出になった」と笑顔を見せ、女子児童は「海から小名浜を見られる機会がなくなって寂しい」と惜しんだ。

 同社の鈴木秀夫社長(67)は「27年間、いろいろな人に支えてもらい、ありがたかった。安全運航できて良かった」と語った。

 同社は1992(平成4)年から同市の小名浜港を中心に観光遊覧船を運航してきた。従業員の高齢者や後継者不足などで経営継続の見通しが厳しいとして廃業した。最盛期は年間7万人が利用した。