「中高年ひきこもり」早期発見へ 福島県、民生委員活動を活用

 

 社会問題化している中高年(40~64歳)のひきこもり対策として、福島県は本年度、専門的な知識を有する民生委員を養成する。地域に密着した民生委員の活動の中で、退職などをきっかけに自宅にひきこもる人を見つけ、早い段階で手を差し伸べることで地域での孤立を防ぎ、自立につなげる。

 12日の9月定例県議会で県民連合の宗方保議員(須賀川市・岩瀬郡)の代表質問に戸田光昭保健福祉部長が答えた。

 内閣府の調査では、半年以上にわたり家族以外の人とほとんど交流せず、自宅にいる中高年のひきこもりは全国で61万3千人と推計され、ひきこもりが若者特有の現象ではない現状が表面化している。親が80代、本人が50代で生活が困窮する「8050問題」も指摘される中、県は県内に約4280人いる民生委員の協力を得て支援を強化する。

 具体的には、県社会福祉協議会が民生委員を対象に定期的に開催する研修会で、精神保健福祉士ら専門職員を配置した相談機関、県ひきこもり支援センター(福島市)の活動内容などを紹介し、民生委員が対象者を支援機関に円滑につなぐ体制を構築する。「趣味の用事の時にだけ外出する」「近所のコンビニには出掛ける」などひきこもりの定義も周知し、早期発見につなげる。また、生活困窮者を支援する県社協の「生活自立サポートセンター」もハローワークと協力して中高年の就労や生活再建プランを策定する取り組みを進めており、ひきこもりの支援対策としても活用する。

 内閣府によると、ひきこもりになったきっかけとして退職が最も多く、リーマン・ショックや就職氷河期を経験したことなども背景にあるという。内閣府の調査では県内の実態は分かっておらず、県は「県ひきこもり支援センターへの相談内容などを分析しながら状況を把握していきたい」(社会福祉課)としている。