豚コレラ拡大...生産者「ワクチン接種を」 福島県が緊急対策会議

 

 中部地方を中心に国内でまん延する家畜伝染病の豚コレラの感染が関東の埼玉県に拡大したことを受け、県は18日、福島市で緊急対策会議を開き、県内の生産者や流通関係者と対応を協議した。出席者からは豚へのワクチン接種の必要性を訴える意見が相次いだ。

 「感染源が分からなければ、いずれ福島にも入ってくる。ワクチン接種しか対策はない」。泉崎村などで養豚場を経営する県養豚協会の中野目正治会長(64)は危機感をあらわにした。

 豚コレラは感染した野生イノシシを介して広まっているとみられるが、養豚場に出入りする人や野良猫、野鳥などがウイルスを持ち運んでいる可能性も指摘される。野生動物の侵入を防ぐ柵の設置や消毒などの対策を講じていたのに豚コレラが発生した事例もあり、生産者はさまざまなリスクに備える不安を抱える。

 中野目会長は対策費の大半を負担する生産者の立場を踏まえ、国に対してワクチン接種の決断を働き掛けるよう県に要望。全農県本部の小松良雄畜産販売課長(48)は環太平洋連携協定(TPP)などの発効によって豚の輸入量が増加している現状を説明し「(本県で)豚コレラが発生してからでは遅い。殺処分となれば、県産豚の消費を取り戻せなくなる」と指摘した。

 日本は2007(平成19)年に国際獣疫事務局から豚コレラの「清浄国」に認定されたが、昨年9月に岐阜市で発生したため、資格が一時的に停止されている。「非清浄国」となった場合は輸出への影響などが懸念され、国は豚へのワクチン接種の是非について慎重に検討を進めている。