富岡と浪江が高い上昇率 福島県内地価、震災前水準には回復せず

 
住宅地で最高価格、上昇率も最高となった郡山市神明町周辺

 県は19日、7月1日現在の県内地価(基準地価)調査結果を発表、住宅地の市町村別変動率で富岡町が2.9%とトップとなった。

 浪江町が2.1%で3位、広野町が1.3%で5位となり、東京電力福島第1原発事故からの復興再生に向けた動きが加速している双葉郡内で高い上昇率となった。

 郡内では廃炉の研究開発拠点の整備が進むなど土地取引が活発化。中でも富岡町では廃炉、除染関連事業者の事務所や宿舎の建設ラッシュがあり、土地需要が高まっている。廃炉作業が長期にわたることから、県は「盛んな土地取引が今後も続く」(土地・水調整課)と分析している。

 ただ、郡内の基準地点の平均価格は震災前の2010(平成22)年の水準には回復しておらず、富岡、浪江両町は昨年調査が再開されたばかり。基準地点が震災前と異なる点なども踏まえ、県は「単純に上昇率だけを見ることはできない」と付け加えた。

 県全体の住宅地の変動率は0.2%で、6年連続でプラスとなった。前年との比較では上昇幅が0.3ポイント縮まり、全国順位も6位から10位に下がった。

 平均価格(2万3700円)は全国40位。評価に当たった県不動産鑑定士協会の佐藤栄一副会長は、郡山市で上昇幅が広がった一方で、福島、いわき両市で縮小するなど都市部で「ばらつきが出てきた」と指摘。その傾向はほかの都市や町村、避難指示が解除された地域でもみられる、とした。

 県は双葉、大熊両町を除く57市町村、533地点で調査した。商業地の変動率は前年と同じ0.2%で全国18位と比較的高い順位にあるものの、平均価格(4万5900円)は38位にとどまった。