【あづま球場ルポ】明るくなった!新たな『名場面』誕生を期待

 
芝生の一部が階段状に改修された外野席。観戦方法もいろいろ工夫できそうだ

 2020年東京五輪に向けた改修工事が完了し、24日に報道陣に公開された福島市のあづま球場。高校野球などで数々の名場面が生まれてきた場所は五輪仕様となり、リニューアル後の新たなドラマに期待が膨らんだ。

 グラウンドに足を踏み入れると、鮮やかな緑色と赤褐色の人工芝が広がっていた。試合や取材で何度も訪れてきた球場だが、黒土と天然芝だった改修前より球場が明るくなった印象だ。人工芝はいわき市の南部スタジアムで導入されているが、県内の球場では珍しい。改修前は降雨でグラウンドに水がたまると、選手や大会関係者がスポンジで水を吸い取り運搬用の一輪車で排水溝まで運ぶ作業が必要だったが、今後はこうした負担が軽減される。土と比べ、ボールのバウンドがイレギュラーする可能性も低くなり、内野手を中心に失策が少なくなりそうだ。

 あづま球場ではこれまで通り高校球児らが金属スパイクを履いてプレーできるという。耐用年数は約10年とされ、県が傷んだ箇所を中心に補修する考えだ。

 東京五輪を見据え、「あづま球場が憧れの地になれば」と県の担当者。プロからアマチュア、草野球まで幅広い層の選手がここでプレーし、歓声に包まれる瞬間が待ち遠しくなった。

 高い排水性!技術力もアピール

 「東京五輪で福島の技術力もアピールしたい」。あづま球場の改修工事で現場の指揮を執った佐藤工業土木部課長代理の菅野文雄さん(53)は、全面人工芝となったグラウンドを見渡しながら期待を込めた。
 新球場の人工芝は排水性の高さが特長の一つ。人工芝の下に大きさの異なる石を複数の層に積み重ね、最下部に排水パイプを設置した。

 グラウンドは真っ平らではなく、周囲の側溝に雨水が流れるようファウルグラウンドや外野などを側溝に向かって少しだけ傾斜させている。

 改修工事では3Dスキャナーなど情報通信技術(ICT)を駆使し、グラウンドを測量。イレギュラーバウンドの原因となる凹凸をなくし、微妙な傾斜に注意を払った。菅野さんは「素晴らしい球場になった」と自信をのぞかせた。