第1原発の処理水タンク増設困難 経産省、敷地拡大できず

 

 東京電力福島第1原発の地上タンクで保管が続く放射性物質トリチウムを含む処理水を巡り、経済産業省は26日、保管場所を確保するために敷地を拡大するのは困難との検討結果を公表した。敷地内には今後、溶融核燃料(デブリ)の取り出しに向けた設備などが必要となるため、保管タンクを現計画より大幅に増設するのは難しい状況で、27日の政府小委員会会合で説明する。

 東電は2020年末までに計137万トン分のタンク容量確保を計画しており、早ければ22年6月にも到達すると試算。前回8月の会合では長期保管について本格的な議論が始まったが、東電はタンク増設は困難との考えを示し、委員からは敷地拡大の余地がないかなどの意見が出されていた。

 敷地拡大について経産省は、第1原発周囲では中間貯蔵施設整備を目的に地権者と用地取得交渉が続いているとし、別用途での使用は困難と指摘。敷地内にある土砂捨て場の活用についても、現行法令の基準では土砂搬出は不可能とした。

 27日の会合で東電は敷地利用状況についても再度、検討した結果を提示する。デブリや使用済み核燃料を一時保管する施設の建設に計約8万平方メートルの敷地が必要とし、ほかの分析設備や資機材保管施設なども含め、今後10年程度での運用開始を見込む。ただ、旧型タンクの解体跡地を活用するなどして空き地ができる可能性も説明する。

 また経産省は丁寧な情報発信や流通対策など風評被害対策の素案を提示する考えで、国民的議論を含めた合意形成の在り方についても引き続き検討を進める。