自然に返る「グラス」海外へ いわきの事業所開発、産業展に出展

 
K2019に植物由来プラスチック製のシャンパングラスと製造設備を出展する小松所長

 福島県いわき市の小松技術士事務所の小松道男所長(56)は、ドイツ・デュッセルドルフ市で16日に開幕する国際プラスチック・ゴム産業展「K2019」に、植物由来プラスチック製のシャンパングラスと製造設備を出展する。小松所長は「展示を通じ、国際問題となっているプラスチックによる海洋汚染の課題解決に向けた日本の技術力をアピールしたい」と話す。

 グラスの製造システムは、小松所長の特許を基に日精樹脂工業(長野県)が製作した。サトウキビなどの植物から抽出した糖やでんぷんと乳酸菌を素材とした生分解性プラスチック「ポリ乳酸」が原料で、廃棄後は土に埋めると2~3年程度で水と二酸化炭素に分解される。

 小松所長のこれまでの研究で石油由来のポリスチレンに近い強度と軽さを実現したグラスの厚さは、生分解性プラスチックの中で最も薄いとされる0.65ミリ。流通価格はポリスチレン製と同程度に抑えられるほか、製造時に産業廃棄物を出さない技術を完成させたという。

 グラスは、8月に横浜市で開かれた国際会議「アフリカ開発会議(TICAD7)」でも日本政府から出席者に3千本贈られている。同産業展では機械による製造工程を公開する。小松所長は「海洋プラスチックごみ削減に寄与できる日本の生産技術を世界へ周知させたい」と意気込みを語った。同産業展は23日まで開かれ、世界のプラスチックやゴム製品メーカーなど3千社以上が出展し、23万人の来場を見込んでいる。