吉野彰氏に「ノーベル化学賞」 27人目、リチウムイオン電池開発

 
ロシアの「グローバルエネルギー賞」を受賞した吉野さん(右)に花束を手渡す庄司さん=2013年4月

 スウェーデンの王立科学アカデミーは9日、2019年のノーベル化学賞を旭化成名誉フェローで名城大教授の吉野彰氏(71)ら3氏に授与すると発表した。スマートフォンなどに広く使われるリチウムイオン電池を開発し、現在の情報化社会を支えるほか地球温暖化の解決にもつながる成果として高く評価された。日本人のノーベル賞受賞は27人目。

 東洋システム・庄司さん交流30年「常に社会のため」

 吉野さんと約30年前から交流があるといういわき市の東洋システム社長の庄司秀樹さん(57)は、ノーベル化学賞受賞の一報に「今まで人々と社会のためを考えた研究成果がやっと認められた」と興奮気味に語った。

 同社は電池の試験装置などを製造。設立間もない時期に、川崎市にある旭化成の研究所に所属していた吉野さんが装置を購入し、交流が始まったという。庄司さんによると、吉野さんは「偉い人だが決して横柄な態度を取らず、気さくな人」。賞ありきの研究はしていなかったといい「常に社会のためを思い研究している人」と人柄を明かす。

 一緒に酒を飲むたびに、電池業界の未来について語り合ったという。「『地球環境に対し、生き物がみんな生きていけるため、リチウムイオン電池で貢献したい』と話していたのが印象に残っている」

 庄司さんによると、11月上旬に開く東洋システムの30周年記念パーティーに来賓として招く予定だという。「あいさつしてくれる約束をしているが、来られるだろうか。今後とも末永く、科学技術で世界中の人々が喜ぶことを続けてほしい」と多忙を心配しつつ、受賞を祝福した。