「食品輸入規制」EU緩和に前向き 福島県産品、検討方針示す

 
過去の大会で使われたメダルを確認する内堀知事=10日、ローザンヌ

 ベルギー・ブリュッセルを訪問中の内堀雅雄知事は11日、欧州連合(EU)の行政運営を担う欧州委員会本部を訪れ、食品の輸入規制を取り仕切るアン・ブシェ保健・食品安全総局長と会談した。ブシェ氏は会談で科学的なデータに基づいて県産品の安全性を判断し県産品の輸入規制緩和を前向きに検討する方針を示した。

 県が規制緩和を巡りEUと直接交渉するのは初めて。ブシェ氏はEUの健康・保健分野の事務方トップで、日本の都道府県知事との会談は異例という。

 会談は非公開。県によると、内堀知事が厳しい検査体制と科学的根拠に基づく県産品の安全性を伝え、輸入規制の緩和を求めた。ブシェ氏は「福島県の対策は理解している。(緩和には)プロセスが大切なので(安全性を示す)科学的な情報を発信し続けてほしい」と理解を示し、EU内で規制緩和に向けた機運醸成を図る考えを示したという。

 原発事故に伴う食品の輸入規制は11日現在、EUを含む22の国・地域が実施。EUは県産品のうち一部の魚種を除いた水産物やキノコ類、柿、大豆などの輸出で放射性物質の検査証明書の添付を求めている。EUの輸入規制を巡っては、岩手、宮城両県の水産物の規制が年内にも全て撤廃される見通しで、本県産品の取り扱いが焦点となっている。

 内堀知事は会談前、児玉和夫EU日本政府代表部大使、下川真樹太駐ベルギー大使を表敬訪問した。児玉大使が会談に同席した。

 五輪ゆかりの品見学 内堀知事がミュージアム訪問

 訪欧中の内堀雅雄知事は10日、スイス・ローザンヌのオリンピックミュージアムを視察した。

 施設は1993年完成。近代五輪の始祖・クーベルタン男爵の遺志を継ぎ、五輪の理念を発信する役割を担う。古代五輪の様子を物語る出土品や、1896年アテネ大会以降のコレクションが収蔵されている。

 内堀知事は国際オリンピック委員会(IOC)の提案で視察。これまでに使われた聖火リレーのトーチやメダルを見て回り、五輪の歴史の深さを感じていた。

 内堀知事は同日、IOC本部でトーマス・バッハ会長と会談し、2020年東京五輪・パラリンピックの成功に向けてIOC側も本県の情報発信を強化する方針を確認した。