人手が足りない...高齢者1人で片付けや運搬 福島県・台風被災地

 
浸水した地域では各家庭からの災害ごみの搬出が続いている。早期復旧に向けてボランティアの力が必要になっている=17日午後2時45分ごろ、伊達市梁川町

 記録的な豪雨となった台風19号。13日未明に相次いだ被害発生から5日目の17日、河川の堤防決壊や氾濫で浸水被害を受けた被災地域では復旧の動きが進んだ。被災各市町村には相次いでボランティアセンターが設置されたが、被災者からは「片付けの手が足りない」との声も出始めている。

 「できないなんて、弱音は吐けない」。自宅が床上浸水した福島県いわき市平下平窪の70代女性は、泥まみれになった家具を手押しの四輪車に乗せ、疲れ切った表情でごみ集積場と自宅の往復を続けていた。一緒に暮らす70代の夫は腰を痛めており、片付け作業は女性1人。「人手が足りない。老夫婦では大きな家具も運び出せない」と吐露する。

 市は災害ボランティアセンターを開設、ボランティアの活動は始まっているが、女性はボランティアを頼むにも申し込みが必要なことすら知らなかったという。移動手段だった車も台風で浸水。「片付け作業に追われていて情報も得られない。広報車などを走らせて情報提供してほしい」と話した。

 阿武隈川の氾濫などでJR本宮駅周辺が浸水した本宮市ではこの日、170人がボランティアに参加した。それでも市社会福祉協議会によると、同日午後5時現在の要請数は150件以上あり、人手が足りない状況だという。宇多川などが氾濫した相馬市でも復旧が進むにつれ要請数の増加が予想されており、17日までにボランティアセンターに83件の支援要請があった。

 阿武隈川の氾濫で犠牲者が出るなど甚大な被害を受けた郡山市水門町。男性(67)は「水を含んだ畳やカーペットは重くて運ぶことができない。ボランティアを頼んだがあちこちで申請があるため、ここまで回ってこない。昨日は親戚が手伝いに来てくれたが毎日は厳しい」と苦渋の表情。高齢者宅を中心にボランティアなど人手不足が課題になってきている。

 一方で地元の学生や企業によるボランティアなどは増えている。いわき市小川町ではこの日、人手の少なさを感じボランティアに入った学生の姿もあった。福島高専専攻科2年の学生(21)は「(被害が目立つ)平窪地区よりも小川地区にボランティアが少ないと聞いて活動に来た。できる限り続けたい」と作業に汗を流した。

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