「一日も早く生活元通りに」 浸水被害に立ち上がるボランティア

 
住宅から水にぬれた畳を運び出すボランティア=20日午前9時30分、本宮市

 記録的な大雨をもたらした台風19号の県内被災地で20日、本格的な復旧の動きが始まった。悪天候となった前日から一夜明け、週末の被災地では県内外から訪れる多くの災害ボランティアが、被災者とともに浸水被害のあった住宅などで片付け作業に汗を流した。

 阿武隈川の氾濫と安達太良川の堤防決壊で大きな浸水被害があった本宮市にはこの日、400人を超えるボランティアが訪れた。

 西郷村の男子生徒(15)=白河旭高1年=は、午前7時すぎに自宅を出発し、東北新幹線と東北線を乗り継ぎ一人で同市を訪れた。ボランティア先の同市歴史民俗資料館では、長靴で泥水に入り、スコップを両手で握って泥を土のうに詰め込む作業に当たった。

 台風被害の出る1週間前、私用で同市を訪れたという男子生徒。被害を伝えるテレビ映像などを目の当たりにし、「本宮は大丈夫かな」と心配の気持ちが大きくなった。再び訪れた本宮市で感じたのは「駅前などは泥もなくなっているが、まだまだ復旧が進んでいない場所との差がある」ということだった。両親には「気を付けて行っておいで」と応援してもらった。「一日も早く、皆さんの生活が元通りになってもらいたい」と願う。

 県外からのボランティアの姿もあった。いわき市では、サッカーのいわきFCを運営するいわきスポーツクラブと、同クラブの親会社「ドーム」(東京都)の社員ら約30人が高齢者世帯などで作業。同クラブの大倉智社長(50)は想像を絶する被害で驚いた。やれることをやっていきたい」と力を込めた。

 郡山、いわきの両市にも400人近いボランティアが参加。郡山市で活動した山形市の会社員、男性(29)は「水を吸った畳や布団が重くなっていて、運び出すのに人手が要った。まだまだ人手が足りていないと感じた」と話した。

 人員偏り、地域に差 受け入れ態勢も

 本格化したボランティアだが、受け入れには課題もある。ボランティアが集中する被災地がある一方、比較的被害が少ない地域ではボランティアが十分に足りていないなど偏りが生じている。ある被災者からは「同じ地域でも片付けの進み具合には差が出ている。ニーズに合ったボランティア配置ができればさらに復旧も進むのではないか」との声も上がった。ボランティア向けの駐車場確保や被災地域への輸送なども課題として挙がっている。

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