「罹災証明」進まぬ交付 自治体で人手不足...いわき、郡山は難航

 
窓口で罹災証明を申請する市民=5日、郡山市

 台風19号の被災者が公的支援を受けるために必要な罹災(りさい)証明の交付が進んでいない。福島県によると、4日午後6時現在の交付状況は申請件数の9.4%。人手不足などで現場での状況確認や行政データとの照合に時間がかかっているためで、被害が大きい自治体では県などからの応援職員も受け入れ、早期交付に向けた懸命の作業が続く。

 1日に罹災証明交付が始まった伊達市。自宅1階が浸水した同市梁川町の男性(67)方は全壊の判定を受け、罹災証明書を受け取った。「被害が分かったことで補償の額も知ることができる。以前より前向きに再建を考えられる」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 家屋などの被害の程度を証明する罹災証明は公的な支援制度の活用など被災者の生活再建に欠かせない。同様に自宅が被災した女性(52)は10月15日に申請を行い被害調査は済んだが、交付にはまだ時間がかかるという。「被害の判断の物差しとなる証明書が発行されないと、修理の見積もりができずなかなか前へ進めない」と被災した自宅を見つめた。

 同市では交付に目立った遅れは出ていないが、調査後の確認作業などで発送までに2~3週間ほどかかるのが現状だという。

 一方、甚大な浸水被害のあったいわき市や郡山市では交付が難航している。いわきは、4日午後6時現在の申請件数が県内最多の1万1988件。交付に向けた作業は通常業務と並行して進めており、「人手が足りているとは言えない状況」(市担当者)という。県や他自治体からの応援職員は多い日で約40人。さらに10月25日の大雨が台風19号との一連の災害として認められたため、手続き上の調整作業にも時間がかかっている。また、6500件を超える申請がある郡山市は申請がさらに増える見込み。最終的には1万2千件程度の申請を見込んでおり、交付完了の時期は「見通せない」状況にあるという。

 まだ交付が始まっていない自治体もある。石川町は当初18日に交付を始める予定だったが、支援迅速化のため11日に前倒しした。6日の時点で700件を超える申請があるが、被害は住宅の構造により異なるため判定に時間を要している。担当者は「早く被災者を支援したいが、判定が支援につながるので慎重に作業している」と疲れた表情を見せた。

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