見通せぬ再開...廃業も検討 台風19号、苦境の福島県内経済

 
県内では台風19号の浸水被害で多くの企業が被災した。台風後、復旧に追われるパナソニックの工場=10月18日、郡山市・郡山中央工業団地

 台風19号による被害が県内経済に暗い影を落としている。上陸から間もなく1カ月を迎える中、各地で相次いだ大規模な浸水被害からの復旧は進まず、被害の全容把握も十分にできていない。生産拠点が長期間操業停止に追い込まれたり、事業再開の見通しが立たない企業も多い。被災した商店などでは経営者の高齢化なども重なり、廃業を検討する動きも出ている。

 一帯が浸水した郡山市の郡山中央工業団地。多くの企業で機械や設備、車両が水没して使えなくなるなど被害は深刻だ。電子部品の基盤材料などを生産するパナソニックの工場は一時、高さ1メートルほど浸水。同社によると復旧には2カ月程度かかる見込みで、その間の代替工場の確保に動いている。幸楽苑ホールディングスは郡山工場が被災し、食材の配送が一時停止。最大で全国244店舗が休業を強いられた。

 団地内の企業でつくる団地会と市は被害状況の集約を続けているが、各社が復旧を急ぐ中で回答はまだ半数ほどしか寄せられておらず、回答した企業も被害の全容をつかみ切れていない。

 団地会の小川則雄会長(71)=郡山自動車学校社長=は「高額な機械などが使えなくなっている」と指摘し、全体の被害額は1986(昭和61)年の「8・5水害」の約320億円を大きく上回り「数百億規模になるのではないか」と嘆く。「一日も早い復旧と長期的な水害対策、支援策も喫緊に考えなければならない」と危機感を募らせる。

 県のまとめ(7日現在)によると、県北、県中、いわきを中心に30以上の地域・工業団地が被災、38の商工会議所・商工会の会員企業が浸水などの被害を受けた。いわき市や相馬市では断水などの影響で工業用水の供給が止まり、工業団地周辺で操業できない工場も相次いだ。また、今後の生産継続が不透明な企業も出ているという。

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