決壊原因踏まえ「堤防」本復旧へ 台風19号、23河川49カ所決壊

 

 県内で30人を超える死者を出し、各地に甚大な被害をもたらした台風19号上陸から12日で1カ月となる。記録的な大雨により決壊した河川の堤防や広域的な浸水被害など、県内被災地の本格的な復旧はまだまだこれから。被害規模は1986(昭和61)年に発生した「8・5水害」を大きく上回るのは確実で、復旧には年単位の時間を要する見通しだ。避難生活を続ける被災者も県によると、いまだ1120人(9日現在)に上っており、長引く避難生活による疲れも懸念されている。

 台風19号では、国が管理する須賀川市浜尾の阿武隈川堤防や県管理の23河川49カ所の堤防が決壊した。応急対策は8日に全て完了したが、10月25日の記録的な大雨では決壊箇所に設置した大型土のうが9カ所で流出するなど、堤防の本復旧は急務となっている。

 県管理河川は、阿武隈川とその支流の16カ所が国の権限代行に移行。本復旧は国の災害査定を経て進められるため、予算計上は今後となるが、県は「(梅雨や台風で降雨量が増加する)来年の出水期までにできるだけ本復旧を進めたい」(河川整備課)とする。

 本復旧は各箇所で決壊原因に対処した工法の採用が重要となる。須賀川市浜尾の阿武隈川堤防は、東北地方整備局が設置した有識者による調査委員会が原因を分析。本流ではなく、支流の水路が堤防の高さ以上の水位となって本流に流れ込んだ可能性を示した。決壊箇所の上流が氾濫し、水が周辺の田んぼに広がった後、水路に再集結したとみられることなどを踏まえ、同整備局が工法を検討している。県も決壊原因を分析の上で本復旧に入る考えだ。

 ソフト対策では、県管理の32河川が浸水想定区域の設定対象。このうち、16河川は設定済みで、各市町村がハザードマップの作成を進めている。

 そのほかに台風では道路も甚大な被害を受けた。県管理路線だけでもいまだ35カ所で通行止めが続いている。