郡山市が「台風被災企業」支援 市内工業団地への移転・増設時

 

 郡山市は台風19号による浸水被害などに遭った市内の企業を対象に、台風被害がほぼ確認されなかった市西部の郡山西部第1、第2両工業団地への移転・増設に関する補助制度を拡充する。阿武隈川流域の郡山中央工業団地などでは河川の氾濫で多くの企業が被害に遭い、地元からは立地企業の廃業や撤退などを懸念する声が出ている。このため市は補助率の上乗せや補助期間の延長などを通し、操業再開や雇用維持などを後押しする。

 品川萬里市長が12日、記者会見で発表した。補助対象は台風で損害の程度が「半壊」「大規模半壊」「全壊」の罹災(りさい)証明を受けた工場などが同市にある企業。郡山西部第1工業団地に約25ヘクタール、同第2工業団地で約1.3ヘクタールの未分譲地があり、両工業団地の用地購入などが補助条件。土地取得費の補助率を現行の25%から30%に加算する。補助金の限度額はこれまで同様の1億円。また、各年度2000万円を限度とする固定資産税と都市計画税の補助期間を3年から5年に延長する。

 企業への支援策を巡っては、政府が被災した県内中小企業へのグループ補助金の適用などの支援策を公表したほか、県も中小企業向けの特別資金を創設するなど、被災企業の支援を打ち出している。

 しかし、郡山中央工業団地では河川の氾濫で一帯が浸水し、約320億円の被害が出た「8・5水害」を上回る被害があったとみられ、いまだ事業再開の見通しが立たない企業もある。

 補助要件の拡充は、立地企業の廃業や撤退を回避し、市民らの雇用を確保するとともに、大規模災害によるリスクを分散させる狙いもある。市は「まずはできることから支援し、事業再開などにつなげたい」(産業観光部)としている。

 郡山中央工業団地の立地企業でつくる団地会の小川則雄会長(71)=郡山自動車学校社長=は「企業が県外に出ていってしまったり、事業規模を縮小するようなことがあれば、多くの雇用が失われ、地域の活力が低下してしまう。致し方なく移転を選択せざるを得ない状況であっても(移転先が)同じ市内であれば雇用が失われないで済む」と話した。