福島大次期学長・三浦浩喜氏に聞く 『問題解決型』大学目指す

 
みうら・ひろき 二本松市(旧岩代町)出身。福島大大学院教育学研究科修士課程修了。県内の公立中教諭を経て、2008(平成20)年4月に福島大人間発達文化学類教授に就任。同大研究教育評議会議員などを歴任し、16年4月から理事・副学長(教育・学生担当)。専門は美術教育学。

 福島大の次期学長候補者に15日選出された三浦浩喜氏(58)は福島民友新聞社のインタビューに応じ、本県をはじめ国内外の課題解決に貢献する大学づくりに取り組む考えを示した。(聞き手 執行役員編集局長・小野広司)

 ―2020年という節目の年に就任する。次期学長として抱負を。
 「大学が震災後に培ってきた社会貢献活動を維持し、研ぎ澄ませたい。22年度から6カ年の第4期中期目標・中期計画を見据えた改革や組織整理も大きな仕事になる」

 ―改革の重点課題は。
 「理系の基礎教育の充実や、学類の基礎体力強化を優先したい。現状では、人やお金など、学類のリソースを社会貢献に充てているが、学類教育は大学の根幹。学類の体制を強化するために、各学類の強みに教育と研究をマッチングさせることが必要だ」

 ―目指す大学像は。
 「問題解決型の大学を目指す。震災と原発事故を経験した本県は、他の地域よりも20~30年先に地域の諸課題に直面している。本県だけでなく、日本や世界の課題に取り組む大学であることが強み、レゾンデートル(存在価値)だと言える大学にしたい」

 ―福島大やOECD(経済協力開発機構)が手掛けた、復興の担い手を育てる教育プログラム「OECD東北スクール」の統括責任者を務め、フランス・パリで東北の魅力を伝えるイベント「東北復幸祭」を成功させた。成功の要因と、成果の生かし方は。
 「学生と事務職員と教員の三者がスクラムを組んで活動したことが成功の原動力。また、参加した学生は、他校の学生・生徒や異世代、地域との交流を高く評価した。異質なものとの接触は子どもを成長させる。福島大の学生にも、日常的に異質なものと交流できる機会を提供したい」

 ―大学入学共通テストへの英語民間検定試験の導入見送りに対する考えは。
 「現在の暗記型の試験ではまずいと考え、入試改革自体には賛成している。たくさん学生を採り、入学後にきちんと学ぶ欧米並みの幅広い試験を追求したが、中途半端に終わった印象。改革を恐れてはいけない。個人的に先送りは残念だ」

 ―付属校・園との連携は。
 「一般的な付属校・園が教育学部付属であるのに対し、本学の付属校・園は全学付属。教養としての理数教育など、全学付属ならではの特徴ある『角張った』教育を打ち出したい」

 ―福島大で育成したい学生像は。
 「OECD東北スクールや、後継事業の地方創生イノベーションスクールに参加した福島大生には、非常に優秀な学生が何人もいる。ある学生は世界的に有名なコンサルティング会社に就職し、今もプロジェクトを手伝ってくれている。大学だけで完結せず、いろいろな所に出張って人間関係をつくり、大学や在学生に還元してくれるような人に育ってほしい」