ちょっと不ぞろい...『ガンバりんご』 須賀川の農家に注文続々

 
出荷作業に励む小松さん。「畑があり、リンゴがある限り活動を続けたい」と力を込める

 「頑張ろうと思えるようになった」―。台風19号で浸水被害を受けた須賀川市浜尾のリンゴ農家へ支援の輪が広がっている。被害を免れた"ちょっと不ぞろいな"リンゴは「ガンバりんご」と名付けられ、注文が続々と入る。インターネットや口コミで広がった。激励の声も届き、ボランティアが出荷作業を手伝う。出荷の最盛期を迎えた生産農家は、多くの支援に復興への希望を見いだしている。

 阿武隈川の流域に約100軒の果樹農家がある浜尾地区。台風19号で阿武隈川が氾濫し、多くの果樹畑が浸水した。「昔から浜尾のリンゴは甘くておいしいと言われてきた」。生産農家が胸を張るリンゴが泥水に漬かった。

 「専業農家としてやっていけるのだろうか」と不安を募らせた。こまつ果樹園の小松純子さん(49)は「収量は例年の2、3割まで落ち込んだ」と話す。台風から1カ月以上経過したが、流され木に挟まったり、泥にまみれ転がったリンゴを見ると「あのときの...」と心を痛める。

 小松さんは、原発事故後の風評で市場から買い控えされた記憶がよぎったという。風評を取り除くため地道に生産を続け、自慢のリンゴを守ってきた。

 台風で被害を受けた生産農家は立ち上がった。「復興のためにも、浜尾のリンゴを売ろう」。小松さんら5軒ほどの農家が中心となり、今月から被害を免れたリンゴを「ガンバりんご」として販売する活動「ガンバりんごの会」を始めた。

 活動を知ったボランティアが県内外から駆け付け、復旧に汗を流す。リンゴの爽やかな香りが漂う小松さんの作業場には、ボランティアや知人が集まっている。少しでも泥が付いたものは出さないよう、検品に細心の注意を払いながら出荷作業を進める。

 もちろん将来への不安もあるが、それでも「買うことがボランティア」「おいしい」と言ってくれる消費者の存在が小松さんの背中を押す。「畑があり、リンゴがある限り活動を続けたい」。台風にも負けなかったガンバりんごのように、と力を込める。

 ガンバりんごは1箱10キロ(25~35個)で3000円(送料は別途)。