「柏屋食堂」29日再オープン 常連客支えに名物・ソースカツ丼

 
再オープンに向けてソースカツ丼を試食する従業員。久しぶりに味わうソースの味に笑みがこぼれていた

 台風19号で浸水被害を受け、休業していた本宮市の老舗食堂「柏屋食堂」が29日、「いい肉の日」に合わせて営業を再開する。女将(おかみ)の松山恵津子さん(71)は「従業員や友人、ファンらが支えてくれた。ようやく食べてもらうことができる」と喜びをかみしめる。

 22日は名物のソースカツ丼の試食会を開き、従業員たちが「久しぶりだけど、やっぱりおいしいね」と笑みをこぼした。災害後初めてのソースカツ丼。従業員は甘めの秘伝のソースに漬かったカツとご飯を箸を止めることなく頬張った。

 近くを阿武隈川と支流の安達太良川が流れる影響で、1階は天井に届く寸前の2メートル47まで浸水した。フライヤーはひっくり返って油は流れ、床は泥まみれに。継ぎ足す秘伝のソースは一部を自宅で保管していたが、店内にあったものは浸水してしまった。

 松山さんの心は折れかけたが、県内外にいる常連客の支えがあった。「ファンなんです」「再開待ってますね」。飲み物などの支援物資を持った常連客が毎日のように訪れた。「落ち込んでいる暇はない。一日も早く店を開けよう」。従業員総出で連日作業に当たり、予定より早くめどが立った。

 まだ一部の調理器具がそろわず、課題はあるが「味は自信がある」と松山さん。「おいしいものを届けることが仕事。幸せな気持ちになってもらえればうれしい」と再オープンを心待ちにしている。