農業被害備え「収入保険」 新たな保険!全作物対象に減収補填

 

 県内の農業にも大きな打撃を与えた台風19号。「当面の収入源を失った」という被災農家も多く、災害に対する経済的備えの重要性が一段と浮き彫りとなった。今年1月に始まった、農家の収入減少を補填(ほてん)する新制度「収入保険」はこうした台風被害による減収も補償の対象となる。被災農家の生計を支える新たな保険制度に注目が集まっている。

 収入保険は原則全ての農産物を対象に、自然災害や市場価格低下、けがや病気、盗難、事故など幅広い減収要因に対応する新たな保険制度。水稲や麦など限られた農作物を対象とし、主に自然災害による損失分を補填する農業共済よりも広範囲の減収要因をカバーできる新制度として始まった。制度の実施主体は全国農業共済組合連合会、窓口は各地域の農業共済組合が担当している。

 保険期間は、個人が税収入の算定期間となる1~12月、法人は事業年度の1年間。前年までの青色申告の実績や保険期間の営農計画などを基に、補填の基準となる「基準収入」を算定。掛け金に応じて条件は変わるものの、最大で収入が基準収入の9割を下回った場合に、減収した額の9割が支払われる。来年からは、安い掛け金で加入できる新しいタイプも始まる。

 台風19号により減収が見込まれる農家の場合は、被災したことを農業共済の窓口に通知し、今年分の確定申告終了後に保険金請求手続きを行うことで、減収分の補填額が支払われる。保険期間中でも損害が大きく資金が必要な場合は、無利子の「つなぎ融資」を受けられる。保険期間中に作付け、年をまたぎ翌年収穫する作物の減収分については、加入申請時の営農計画に入っており、来年も保険を継続契約すれば補償される。

 農林水産省の担当者は「従来の価格安定制度などに対し、仮に出荷できなくても減収が補填される。災害への備えとしても、加入する意義はある」としている。問い合わせは県農業共済組合の県内各支所へ。