31年末まで「燃料搬出」明記 福島第1原発・廃炉工程表改定案

 

 政府は2日、東京電力福島第1原発の廃炉に向けた工程表「中長期ロードマップ」の改定案を示した。2031年末までに、搬出を終えた4号機を除く1~6号機全ての使用済み核燃料プールに残る燃料計4741体の搬出を目指すと初めて明記。最難関とされる溶融核燃料(デブリ)の取り出しは2号機として、21年内の開始を維持した。

 廃炉・汚染水対策チームの会合で示した。30~40年とする廃炉完了全体の枠組みは変わらない。今後、廃炉作業ごとの目標時期を精査して正式決定する。

 現工程で1、2号機プールからの燃料搬出開始は「23年度めど」としているが、改定案では新たな搬出方法の検討や変更で「再設定する」とし、開始時期が遅れる可能性もある。

 デブリ取り出しでは本年度内に2号機で少量を試験採取する予定だったが、技術開発が進まず断念。改定案では21年内とする取り出し開始に合わせて試験採取すると変更しており、事実上、先送りになった形だ。

 プール燃料の搬出では、今年4月に搬出が始まった3号機の完了時期について20年度内を維持。一方、1号機は、がれき撤去前に建屋に大型カバーを設置する方法も含めて検討、2号機は建屋を解体せず建屋南側に専用装置を設置する新たな方法に変更するとした。5、6号機は1~3号機の状況を見ながら着手する。

 デブリを取り出す初号機は炉心溶融(メルトダウン)した1~3号機のうち、格納容器内の調査が最も進む2号機が最適だと判断。ロボットアームでデブリをつかんだり吸引、削るなどして取り出し、段階的に規模を拡大する。

 汚染水対策では、20年内に汚染水発生量を1日当たり約150トンとする現工程を堅持する。達成に向け、地表をモルタルで覆う「フェーシング」を、1~4号機建屋周囲の地下に氷の壁を築く「凍土遮水壁」の内側部分にも拡大する。

 一方、20年内の完了を目標としていた「プロセス主建屋」と「高温焼却炉建屋」に残る汚染水処理については、建屋内で見つかった放射性物質を吸着する「ゼオライト」を詰めた土のうの処理に時間を要するとし、20年内の完了を見送った。