災害備え...経済重要に YMC郡山セミナー、増税影響など解説

 
災害や増税による経済影響について理解を深める聴講者

 福島民友新聞社、読売新聞社、福島中央テレビによるYMC郡山セミナー(代表幹事・滝田康雄郡山商工会議所会頭)は3日、郡山市の郡山ビューホテルアネックスで開かれた。双日総合研究所チーフエコノミストの吉崎達彦さん(59)が「どうなる今後の日本経済」と題し、消費税増税や自然災害の経済への影響、米中の貿易戦争の見通しなどについて解説した。

 吉崎さんは今回の消費税増税について、駆け込み需要が少なかったために日本経済への影響が少なかったと分析。2014(平成26)年の8%への増税前に駆け込み需要が起きた車や住宅の販売業者が対策を講じた結果だと説明した。

 また、経済発展を持続させるための自然災害への備えも重要と訴えた。酷暑を想定していた東京五輪のマラソン競技が、涼しい札幌での開催に変更されたことを一例としながら「災害時に都市間で機能をバックアップし合う体制を整えることが必要」とした。

 会員や市民約50人が聴講した。

 観光は世界的成長産業

 「モノ消費」から「コト消費」にシフトする中、日本経済における次のポイントは「遊び」だ。

 地方活性化に大きくつながるのは観光、農業、スポーツだと思う。特に観光は世界的な成長産業になっている。日本への外国人観光客は今年、3200万人で、このうち中国人は過去最多の約1千万人が来日したという見通しになっている。スマートフォンの普及と格安航空会社(LCC)の拡大などが要因で、人の移動が活発になっている。国内総生産(GDP、季節調整値)は今年7~9月期、4四半期連続でプラス成長しており、政府は、12年からの長い景気回復期間としている。しかし好景気の実感は少ないのではないだろうか。

 理由はお金が支払われるものしか計算できないGDPの統計法の限界だ。例えば、料理店で食事を作る活動はGDPに加算されるが、家で家族に食事を作る活動は加算されない。お金にならない付加価値の経済への影響を、何らかの形で経済指標に取り入れていくべきだと思う。

 一方で、今の日本経済は消費や設備投資が盛り上がらず、物価や賃金が上がらない体質になっている。経済学者鶴光太郎さんの「低温経済」という言葉がよく示している。実は「実感なき景気後退」なのかもしれない。