福島県産海産物「購入控える」2割 処理水放出なら3割に上昇

 

 福島大と東京大は24日、東京電力福島第1原発事故の風評被害についての調査結果を公表した。本県産海産物の購入を控えたいという人の割合は、現状で県内外ともに約2割にとどまるが、第1原発で保管される放射性物質トリチウムを含む処理水を巡り、安全性に問題がない状態に処理された上で仮に海洋放出された場合は約3割に上昇することが分かった。

 処分方法を巡っては23日、経済産業省が「希釈して海洋放出」「蒸発させて大気に放出(水蒸気放出)」「海洋、大気放出の併用」の3案を提示。調査では、仮に海洋放出されても県産海産物を購入したいという人の割合は、現状に比べて県民で約1割、県外では5%程度低下した。また、処理水を地中に注入したり、海や大気中に放出したりすることに対して県内外ともに約5割が反対と回答しており、処分方法への懸念が表れた形だ。漁業流通業者への調査では、県産海産物を購入したくないと考える消費者が、県内業者は5~6割、県外業者は5~7割に上ると考えている業者が最も多いことが判明。消費者の意向よりも、流通を介した経済的影響が大きい可能性が示唆された。

 一方、仮に処理水が海洋放出された場合でも、県産海産物を仕入れたいと回答したのは、県内は23.2%に上った一方、県外では9.8%にとどまった。県産海産物への放射性物質検査が県外で十分に知られていないことが要因とみられ、検査体制や検査結果に関する情報発信の重要性が改めて浮き彫りになった。

 インターネットを通じて47都道府県の各200人、計9500人に調査した。流通事業者への調査では、本県56と県外122の漁業協同組合の取引業者と東京、仙台、名古屋、大阪の主要漁港に登録されている仲介事業者に郵送で調査票を送付した。結果は24日に東大で開かれた研究会で、調査を担当した東大大学院准教授で、福島大食農学類客員准教授の関谷直也氏(災害情報論)が発表した。