東電復興本社・大倉誠代表に聞く 処理水...「風評は避け難い」

 
トリチウム水の処分を巡り、県民へ丁寧に理解を求める必要性を強調した大倉代表

 東京電力福島復興本社の大倉誠代表は、福島民友新聞社の年末インタビューに応じた。福島第1原発で保管されている放射性物質トリチウムを含む処理水を巡り「どんな処分方法でも風評は避け難い」と述べ、県民と丁寧な合意形成を図る考えを示した。(聞き手 執行役員編集局長・小野広司)

 ―トリチウム水について、政府の小委員会が処分方法を3案に絞り込んだ。
 「東電が事故の原因者として主体的に動く日が近づいている。しっかり準備したい。どんな処分方法でも、残念ながら風評は避け難い。影響が出る関係者を中心に私たちの考えを説明し、理解していただく努力が必要だ」

 ―裁判外紛争解決手続き(ADR)が訴訟に発展する動きがある中、今後の賠償の取り組みはどうなるか。
 「時効を理由に賠償請求を拒否せず、最後の一人まで柔軟に対応する方針に変わりはない。現状は個別事情に耳を傾けて斟酌(しんしゃく)する賠償判断に変わってきている。東電から出向き、直接お話を伺うことがますます重要になる」

 ―1、2号機共用排気筒の解体で技術力を確保する難しさを感じた。廃炉をどのように進めていくか。
 「東電と地元企業が一緒に相談して(解体装置を)造ってきたので、地元企業だけの技術力の問題ではない。失敗の分だけ経験や知見は積んでおり、今後も地元企業と一緒にとの姿勢は変わらない。一括ではなく分割発注して管理する力だったり、東電自体が技術力を持つ必要がある」

 ―第2原発の廃炉が決まった。人材、資器材の確保など第1原発と並行した廃炉をどのように進めるのか。
 「工程をずらして段階的に作業を進めることで、十分に可能との見通しをつけた。東電は、福島への責任を果たすために存続を許された会社だ。廃炉と、復興のお手伝いを貫徹していく」