具体策迫る...「治水対策を早く」 浸水被害の郡山中央工業団地

 

 台風19号に伴う河川の氾濫などで一帯が浸水した郡山中央工業団地(郡山市)で9日、国や県、市による治水対策の説明会が開かれた。台風被害を受けた阿武隈川などの大規模な治水対策に乗り出す意向が示されたが、具体的な取り組みは明示されず、出席した企業関係者からは、早期に具体策を提示するよう求める声が上がった。

 「台風から3カ月になる中、多くの企業にとって治水対策が課題になっている。安心してこの場所で仕事ができるよう話し合いたい」。立地企業でつくる郡山中央工業団地会の小川則雄会長は会の冒頭でこう訴え、国と県の担当者に要望書を提出した。団地会と郡山商工会議所が連名で出した要望書には「(直接的な被害に加え)サプライチェーンの寸断によるさらなる損害など立地企業の経営に大きな危惧が生じている」と明記。堤防強化や河道の樹木伐採などの氾濫対策、敷地のかさ上げなど事業者の自衛措置に対する補助金の適用などを求めた。

 立地企業の担当者ら約70人が出席した説明会は、冒頭を除き非公開で行われた。出席者によると「国から、阿武隈川や(支流の)谷田川の大規模な治水事業を始めたいと説明があったが、予算審議の関係で具体的な中身は言えないということだった」という。

 製造業を営む男性は「河川やダムの治水対策についてよく分かった」とする一方「一番聞きたかった具体策については説明がなかった」と肩を落とした。また、都内の本社から移転せずに同団地で操業を続けるに当たっての対策について説明を求められているという大手メーカーの男性担当者は「具体的な方針が打ち出されない限り、本社を説得することはできない」と口にした。

 同団地周辺は台風19号で最大1.8メートル以上の浸水被害を受け、ハザードマップでは、それを超える2~5メートルの浸水が想定されている。「ハザードマップを見た顧客から『危険ではないのか』と言われる。この対策を講じることで、これだけの効果があるという具体策を公表してほしい」。出席者からは、早期対策を求める切実な声が漏れた。

 郡山市が「対応窓口」開始

 郡山市は9日、郡山中央工業団地にある郡山自動車学校の敷地内に、台風19号の被災企業に対応するためのサテライトオフィスを開設した。職員が窓口に常駐するほか、団地内の約250社を訪問し、被害状況を聞き取ったり、支援策の申請方法を説明するなどの業務に当たる。